社会人野球の第71回東京大会第4日は12日、神宮球場など3会場で1次リーグ8試合を行い、JX-ENEOSと東芝の神奈川勢は1次リーグ敗退が決まった。
B組のJX-ENEOSは3-1でJR東日本東北を下し、JR東日本東北とJFE東日本に2勝1敗で並んだが、総失点数の少なさでJR東日本東北が決勝トーナメントに進出した。D組の東芝は3-4で日本新薬に逆転負けし、1勝2敗だった。
最終日は13日、同球場で準決勝と決勝の計3試合が行われる。
◆JX-ENEOS
試合前に1次リーグ敗退が決まっていたJX-ENEOSだが、神奈川ゆかりの選手が輝いた。
慶応高出身のルーキー谷田(慶大)は0-1の二回先頭で二塁打を放ち、桐光学園高出身の松本の適時二塁打で同点のホームを踏むと、今度は2-1の六回だ。先頭でスライダーを引っ張り、「打った瞬間いったと思った」という打球は右翼席に飛び込んだ。
「同期に負けていられない」と燃えたのが桐蔭学園高出身の新人若林(法大)だ。1-1の三回に中前打で出塁して勝ち越しの生還を果たす。
さらにマウンドでは2点リードの八回に登板した桐光学園高出身の新人右腕柏原(同大)が「神奈川の選手で意地を見せたかった」と言葉通りに躍動する。1死二、三塁のピンチを招いたものの最速147キロの直球で後続を打ち取り、1回を無失点に抑えた。
新人たちの働きは先輩の目には頼もしく映り、そして、その胸には危機感を植え付ける。「後輩たちの活躍を黙って見ていられない。競争が激しくなればチーム力も上がる」とは二回に同点二塁打を放った大卒3年目の松本だ。
昨年は都市対抗大会の2回戦で敗退し、日本選手権の本大会出場も逃した名門。神奈川のルーキーが生み出す相乗効果がチームをきっと浮上させる。