社会人野球の第73回東京大会は14日、神宮球場で準決勝、決勝を行った。東芝は準決勝でホンダに1-11の七回コールドで敗れた。決勝はホンダが4-3でホンダ熊本を破り、5年ぶり2度目の優勝を飾った。
覚悟と競争、飛躍の一歩
手痛い敗戦にこそ、次への手がかりが見つかるはずだ。ホンダにコールド負けした東芝の平馬淳監督は「相手の方が上手だと痛感した。この大会は良い悪いが両方出た」と総括した。
新体制で臨む初陣となった今大会は2勝2敗。投手陣が無失点に抑えると打線が爆発し、乱れれば沈黙するという戦いぶりだった。
「打線は水物。投手陣に信頼を置いている分、つながりを意識して打たないといけない」と主将松本は言う。今季から3番に座る副主将の佐藤旭は、前日から7打席ノーヒットに終わり、「中軸を担う覚悟を結果で示さなければいけない」と気持ちを入れ直す。
課題を見つめるのは投手陣も同じだ。この日、三回途中5失点の加嶋は「(エースの)岡野の次とは言われたくない」と自覚が強まり、新人宮川や5年目櫻井らを含めたチーム内の競争が今後の飛躍には不可欠だろう。
この4戦で、平馬イズムがナインに伝わっていることは示した。松本は「(経営再建中の)会社はまだ完全復活していないからこそ、監督の求める自分で考えるプレーを発揮して応援してくれる人を喜ばせたい」と力を込めた。
ホンダ・齋藤“圧投”
東芝打線に、桐蔭横浜大出身のホンダ・齋藤が立ちはだかった。7回8奪三振1失点の力投に「自分の持っている力を全てぶつけた」と胸を張った。
12日の明治安田生命戦でも8回1失点と好投し、試合後には大学の恩師・齊藤監督から「しっかり投げているな」と激励の電話をもらったという。最速153キロの右腕は今秋のドラフト会議について「意識したい。まずは結果を積み重ねてたい」と意欲的だった。