全国高校野球選手権神奈川大会第11日は23日、サーティーフォー保土ケ谷球場など4会場で4回戦8試合を行った。
鎌倉学園は3-3の延長十一回に地主聡太(3年)がサヨナラ安打を放ち、第3シードの藤嶺藤沢を4-3で下して6年ぶりの5回戦進出を果たした。
第1シードの日大は、丹羽敬太(同)の先制2点本塁打などで川崎工科を5-2で破り、4年ぶりのベスト16進出。平塚江南は3-1で横須賀学院に勝利し、創部初の5回戦進出を決めた。
第1シードの慶応、第2シードの東海大相模、桐蔭学園はコールド勝ちを収めた。第3シードの平塚学園と厚木は接戦を制した。
第12日は24日、同球場など4会場で4回戦の残り8試合を行い、ベスト16が出そろう。
日大5-2川崎工科
一回1死一塁。日大の丹羽は2ボール1ストライクから内角高めの直球を豪快に振り切った。芯で捉えた打球は左翼場外へ。「今までで一番。最高の感触」と胸を張る高校通算15本目は、2試合連続完封の相手左腕エースの出ばなをくじく価値ある一発だった。
絞っていたのはアウトコース。それでも、「体が反応した」と自然にスイングできた下地には、流してきた汗がある。140キロに設定した打撃マシンを約4メートル手前に近づけてフリー打撃に励み、素振りも1日500本がノルマだ。
大会期間中は、芯の部分だけ膨らんだ特注の木製バットで打撃練習に取り組んでいる。芯に当てる感覚を研ぎ澄ませてきた3番打者はこの日の次打者席でも、バットの真芯を右手でつかむルーティンで「ここに当てるんだ」と集中力を高めていた。
七回の第4打席も見逃せない。内角球に詰まりながらも左前へ。2点を奪って反攻に燃える川崎工科を再び鎮めるタイムリーを放ち、すかさず二盗するあたりにゲームの流れを読み取れるセンスが漂う。
これで今大会は2本塁打を含む10打数7安打11打点。今春の関東大会初戦の関東第一(東京)戦で2打数無安打に終わった悔しさも糧にする好打者は「とても充実している。この先どんな投手にもひるまない」と言い切った。