高校野球の第68回春季関東大会第2日は22日、群馬県の高崎城南球場などで2回戦6試合を行い、横浜(神奈川1位)は3-2で高崎健康福祉大高崎(群馬2位)に逆転勝ちし、4年ぶりのベスト8進出を決めた。
横浜は0-1の六回に渡辺翔(2年)、遠藤駆(3年)の連続適時打で逆転すると、八回には渡辺がスクイズを決めて追加点を奪った。左腕石川達也(同)は無四球で2失点完投した。
第3日は23日、同球場などで準々決勝4試合を行う。横浜は上毛新聞敷島球場の第1試合(試合開始午前10時)で千葉黎明(千葉2位)と対戦する。
伏兵が大仕事 県外公式戦 監督初白星
五回まで1点も取れず、2失策と2度の送りバント失敗も喫していた。「やっぱり県外で勝てないのか」。昨秋の就任以降、県外公式戦で勝っていない横浜の平田徹監督(33)が感じていた嫌な流れを断ち切ったのは、伏兵の2年渡辺だった。
六回1死二、三塁の好機で、8番打者に出されたサインはスクイズ。これは相手バッテリーに外され、空振りで三走が本塁憤死する。しかし、直後に渡辺が左前に同点打を運ぶと、続く遠藤の打球は右翼手の目の前でバウンドが変わり、幸運な逆転の三塁打となった。
三回に遊ゴロを悪送球する失策を犯していた渡辺は「エラーも空振りもあったけど、気持ちを切り替えた」と冷静だったという。
攻守に非凡な1年秋からのレギュラーだが、県大会準々決勝の東海大相模戦で失策から同点とされ、引きずったまま次打席で併殺打。準決勝、決勝はベンチから外されスタンドで応援していた。
苦い経験に「同じことはもうやらない。一日一日が勝負」と決意。八回にはスクイズのサインで外されたボールに食らい付いてファウルにし、最後はセーフティースクイズを成功させ、「一本立ちしてほしかった」という指揮官を喜ばせた。
浦和学院や常総学院など強豪が姿を消す中、超満員の球場で地元の注目チームに逆転勝ち。平田監督は「仮想甲子園じゃないですが、こういう雰囲気の中で苦しい試合をして経験値を高めたい」と次をにらんだ。