高校軟式野球の第63回春季関東大会第2日は24日、等々力球場とサーティーフォー保土ケ谷球場で準々決勝4試合が行われた。県大会を制した慶応(神奈川A)は並木中教校(茨城B)に3-2で、神奈川3位の法政二(神奈川C)は早大学院(東京B)に4-3でそれぞれ競り勝った。
慶応は1点を追う四回1死二、三塁で、中西夏基(3年)の2点適時打で逆転。左腕淺野倫太郎(同)が散発3安打2失点(自責0)で完投した。
法政二は1点を先制された直後の一回、相手投手の制球難と守備の乱れにつけ込み、3得点で逆転。3投手の継投で逃げ切った。
第3日は25日、サーティーフォー保土ケ谷球場で慶応-県太田(群馬B)、法政二-東洋大牛久(茨城A)の準決勝2試合を行う。
中西、逆転の一振り 慶応
県大会を含めて、この春初めてビハインドを背負った慶応。0-2の四回、打席の7番中西はしかし冷静だった。
1死満塁。4球目の暴投で1点を返すと、「動揺した今がチャンス」と5球目を狙い打った。真ん中やや高めの直球を中前へ。逆転の2点適時打に「打てないと流れを奪われていた」とほっとした表情を浮かべた。
足と守備が売りの3年生外野手。中学時代からチームメートの主戦淺野は「いつも堅実で、何かを起こしてくれる」という。今大会直前のテスト期間中は勉強の合間に10分ずつ、ペンをバットに握り替えて素振りを繰り返した。「(春の)県大会は打てずに悔しかった。振ってきた成果」と口元を緩めた。
春の関東4強入りは2001年に並ぶ過去最高成績。創部68年目にして初の決勝進出へ「勢いもあるし、いける。狙っているのは優勝」。気負いない中西の口ぶりは現実味を一層漂わせた。
継投策で逃げ切る 法政二
法政二は早大学院の反撃で終盤に1点差に迫られたが、八回以降に高橋壱、伊藤が好救援。初戦に続いて3投手のリレーで勝利した。
九回にマウンドに上がり、無失点で試合を締めたエースナンバーを背負う伊藤は「この大会は連戦が続くので、3人でつなぐ意識で戦っている」と充実した表情だ。
打席でも1点を追う初回1死満塁の好機に、打球を転がして相手内野陣のミスを誘って得点につなげた。六回には二塁打を放ってチャンスメーク。試合を分ける4点目につなげた。
県大会の準決勝でコールド負けした慶応との再戦を目標にしている。伊藤は「明日も勝って決勝に進み、慶応に勝ちたい」と意気込んでいた。