高校軟式野球の第63回春季関東大会は23日開幕し、サーティーフォー保土ケ谷球場など3会場で1回戦8試合が行われた。県大会優勝の慶応(神奈川A)は熊谷(埼玉B)に9-0で七回コールド勝ちし、同3位の法政二(神奈川C)も正智深谷(埼玉A)に2-0で快勝。同準優勝の栄光学園(神奈川B)は十三回のタイブレークの末、拓大紅陵(千葉A)に2-3で惜敗した。
慶応は主戦淺野倫太郎(3年)が6回2安打の快投。打線も小刻みに加点し、六回の一挙4点で突き放した。
法政二は3投手のリレーで1安打に封じ、打線は森風煕(同)が二回に2点打を放った。栄光学園はエース辻居新平(同)が力投も、タイブレーク十三回に守備の乱れから失点した。
第2日は同球場と等々力球場で準々決勝4試合を行う。慶応は並木中教校(茨城B)と、法政二は早大学院(東京B)と対戦する。
試験明けもコールド
慶応が軽快に攻守のリズムを奏でてコールド発進。タクトを握ったのは6回2安打1四球の主戦淺野だ。
右打者の内角へ鋭く直球を投げ込んだかと思えば、外へのシュートはシンカー気味に落ちて空振りを誘う。三回まで無安打。四回の先頭に初安打となる三塁打を許すも、次打者を遊直併殺に切った。
前日まで試験があり、勉強の疲れで好調とは言いがたい状態ながら好投した。左腕は「関東大会で優勝して夏も優勝して(全国選手権の)明石に行きたい」と意気込んだ。
(サーティーフォー保土ケ谷)
1安打無失点リレー
法政二投手陣が力でねじ伏せた。3投手が直球を主体に押し切り、五回以降は一人の走者も許さなかった。
2-0の四回2死二、三塁のピンチにも先発森田は動じない。フルカウントからの6球目。「持ち味」という外角低めのストレートで見逃し三振に切った。
試合直前に先発を告げられたが「準備していたし、ピンチを楽しめる性格なので」と背番号11。継いだエース番号を背負う伊藤、2年生左腕の高橋壱も無安打に抑えた。森田は「1安打は良かったけど制球にはまだ課題が残る。決勝でもう一度慶応とやりたい」と満足していなかった。 (等々力)
いいものを得られた
栄光学園はタイブレークの末に1点差で惜敗。エースで4番の辻居は「負けはしたが、関東大会で一つ、いいものを得られたと思う」と最後まで粘ったチームに手応えを感じていた。
無死一、二塁で始まるタイブレークの十三回裏は1点差に迫り、なおも無死満塁としたが、あと一本が出なかった。辻居は「こういう流れで勝ちきれなかった。決めたいところで決められるチームにしたい」と前を向いた。 (横須賀)