投打の主役が大活躍
橘は昨秋の県王者平塚学園を圧倒。投打の主役が活躍し、福田茂監督(47)は「出来過ぎ」と相好を崩した。
打の主役は指揮官の長男、3番福田耕平だ。初回1死一塁で先制の適時打、さらに2番手のエース高田孝を相手にした4-1の四回1死一、三塁。初球の内角直球を「目いっぱい振り抜いた」という打球は右翼への3ラン。終盤にも2打点を稼ぎ4安打6打点と暴れまくった。
速球の対策は満足にできていない。校舎脇を電車が通るため、打撃マシンによるフリー打撃は禁止。グラウンドいっぱいに打球を飛ばせるのは週2、3日に等々力球場を借りての1日1時間ほどだが「等々力の反省を生かして学校でロングティーを打ち込んだ」(福田)という。
そんな野手の活躍に「応えたかった」というエース左腕寒水も躍動した。2点差に詰め寄られた四回2死満塁でマウンドに送られると、二直でこの窮地を切り抜ける。以降は変化球を丹念に低めに集めて最終回までゼロを並べ、今大会3完封の力を証明した。
決勝の切符を懸けて県相模原と相まみえる。「最後まで勝ち上がりたい」。背番号1は誓いを立て次戦に向かう。
復権を誓うエース
昨秋の県大会を制した平塚学園は二回途中から救援したエース高田孝が相手打線の勢いにのまれた。
四回に3ランなどで突き放されるも、その裏に味方が4点を奪い、5-7で迎えた六回。ストレートの四球で出した走者に二盗を許すと、2死二塁から適時打を浴び、追撃ムードはしぼんだ。
「六回に無失点で抑えていたら流れは来たかもしれない」と八木監督。高田孝は「心の準備はできていたが、力不足だった。高めの直球もカーブも磨き直したい」と夏に向けて復権を誓った。