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文武両道 目標へ道筋を
母校、川和高でコーチに 元ヤクルト投手・加藤幹典さん

高校野球 | 神奈川新聞 | 2016年12月20日(火) 02:00

母校の非常勤コーチとして、後輩を指導する元ヤクルトの加藤幹典さん=川和高
母校の非常勤コーチとして、後輩を指導する元ヤクルトの加藤幹典さん=川和高

 元プロ野球ヤクルト投手の加藤幹典さん(31)が今秋、母校の川和高校(横浜市都筑区)で非常勤コーチに就任した。高校時代は「神奈川公立ビッグ3」、慶大時代は「大学ビッグ3」と称され、プロのマウンドにも立った左腕は「文武両道を目指す選手たちに、目標への道筋をつけるサポートをしたい」と張り切っている。

 12月上旬の川和高グラウンド。バント処理や投内連係プレーの手本を見せる“伝説のエース”を、選手たちが真剣な表情で見つめていた。

 「一塁をカバーするときは、何でこういう体の使い方をするか分かる?」「けがをしないフォーム、体幹強化が大事だよ」。加藤さんは丁寧に説明していく。伊豆原真人監督(39)は隣で「うちの生徒たちは何のための練習か納得しないと動かない。幹典が言ってくれれば説得力がありますね」とほほ笑む。

 川和高は県内有数の進学校だが、野球部は昨秋の県大会でベスト8に進出するなど部活動も盛んだ。1年生として、その快進撃をけん引した左腕相川を中心に、ことしのチームは過去最高の4強以上を狙っている。

 同じサウスポーの先輩に入学前から憧れていたというエースは「まさか直接指導してもらえるとは思わなかった。体づくりや試合の入り方、変化球など聞きたいことが山積みです」と加藤2世を目指している。

ドラフト1位


 加藤さんは高校時代、県川崎工高(現川崎工科高)の内竜也(ロッテ)、城郷高の吉田幸央(元ヤクルト)とともに注目され、2年秋には東海大相模高も破った。慶大進学後は最速150キロを投げ、東京六大学リーグで通算30勝、2007年のドラフト1巡目指名でヤクルトに入団した。

 強豪私学がそろう県内の公立高出身でドラフト1位指名された選手は阿波野(桜丘高-亜大-近鉄)、河原(川崎北高-駒大-巨人)、川村(厚木高-立大-日本石油-横浜)ら過去にも数人しかいない。伊豆原監督は「文武両道を実践した幹典は今の部員たちにとって神格化された存在。プロでは故障で苦しみましたが、その経験があるからこそ、選手の相談に乗ってあげられる」と指導を依頼した理由を話す。

 ヤクルトでは、メジャーリーグでも活躍した石井一の後継者として背番号16を与えられたが、プロ生活は左肩の故障との闘いだった。1年目の春に生じた違和感は徐々に悪化し、神経を圧迫。球速は落ち、痛みで投球もできなくなった。「全然楽しい思い出はない」という5年間ではあるが、10年7月の阪神戦でのプロ初勝利を「球速も出ず、投球スタイルは変わってしまったけど、必死にもがいて1勝できたことは大きかった」と今も大事にしている。

動画で指導




 27歳で引退した後は、「ここからの人生の方が長い。一年でも早く社会に出たい」と野球への思いを断ち、球団親会社への就職を志願した。

 「野球選手は自分中心。組織で動くことに慣れるまでが大変だった」。ヤクルトレディーと一緒に一般家庭を回って訪問販売するところからスタートし、現在は量販店への営業を担当。大手スーパーと連携して商品購入者を対象にした野球教室を企画し、自ら講師を務めるなど経験を生かした仕事にも取り組んでいる。

 コーチ就任後は仕事を終えると、スマートフォンに送られてきた投手陣の動画をチェックし、体の使い方やフォームなどをメールでアドバイス。故障で短命に終わったからこそ、「後輩にはけがをしてほしくない気持ちが強いし、手伝えることは手伝ってあげたい」と時間が許す限り、グラウンドにも顔を出す。

 十数年ぶりに戻った母校で接する選手たちに、刺激を受けている。「プロまで行った自分を目標に、文武両道を掲げていると聞いてうれしかった。明確な目標を持つことは大事。高校は3年間しかないけど、その間に伝えたいことはたくさんありますね」

かとう・みきのり 横浜市立中山中から川和高、慶大を経て2007年、大学生・社会人ドラフト1巡目でヤクルトに入団。プロ5年間で通算23試合に登板し、1勝3敗、防御率9.13。現役引退後はヤクルト本社(東京都港区)で勤務。弟の貴大さんも楽天で投手として3年間プレーした。


サラリーマン生活5年目を迎え、自ら企画する仕事も増えた=東京都港区のヤクルト本社
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