高校野球の第67回秋季関東大会第2日は26日、千葉県のゼットエーボールパークなどで1回戦4試合を行い、神奈川1位の平塚学園は5-2で前橋育英(群馬2位)に逆転勝ちし、13年ぶり2度目の出場で初勝利を挙げた。平塚学園は27日、QVCマリンフィールドで行われる準々決勝(開始午前10時)で常総学院(茨城1位)と対戦する。
◆課題克服 適時打2本
平塚学園は一回に1点を失い、打線も三回まで一人の走者も出せない。そんな劣勢に陥りそうな展開から救ったのは2本の適時打だった。
0-1の四回2死一塁から倉岡のチーム初安打で一、二塁とすると、続くのは群馬県高崎市出身の松本。「相手は進学を考えたこともある地元の学校。絶対に打ってやろうと思っていた」。振り抜いた打球はしぶとく二遊間を抜け、二走を同点のホームにかえした。
続いたのが打撃を買われ、直前の登録変更でベンチ入りした荒井。県大会終盤からメンバーから外れ「悔しい気持ちがあったけど、自分には打撃しかない」と腐らずスイングを繰り返してきた。二、三塁からの逆転の2点タイムリーに、背番号11は「低い打球を意識して思い切り振った結果」と胸を張った。
県大会で13年ぶりの頂点を極めたが、主戦高田の好投の一方で、打線は準々決勝、準決勝と1点に抑えられていた。優勝決定後、八木崇文監督(35)が課題に挙げていたのが打力の向上。約1カ月間、直球に絞って打ち続けた努力が、ストレートを狙い打った2本のタイムリーに実を結んだ。
選抜切符が懸かった次戦の相手、常総学院も前橋育英と同じく全国制覇経験がある。それでも2人は「今まで成長してきたものを全て出し切りたい」と声をそろえる。平学野球の真骨頂はここからだ。
【神奈川新聞】