全国高校軟式野球決勝:三浦学苑 悔しい準V
高校野球 | 神奈川新聞 | 2014年9月1日(月) 03:00

第59回全国高校軟式野球選手権大会最終日は31日、兵庫県の明石トーカロ球場で決勝を行い、神奈川代表として2年連続の初出場優勝を狙った三浦学苑(南関東・神奈川)は0-2で中京(東海・岐阜)に惜敗し、準優勝した。
三浦学苑は決勝で、同日午前に延長四十六回から再開された準決勝を五十回の末に3-0で制した中京と対戦。六回にエース櫨(はし)宏司(3年)の暴投で先制されると、七回にも1点を奪われた。打線は準決勝を1人で投げ抜き、決勝は四回途中から救援した中京の松井大河(同)の前に1安打8三振に抑え込まれた。
◆三浦学苑 堂々準V 貫いた機動力 誇りに
快挙目前で初出場ナインの快進撃は止まった。準決勝から中2日の決勝は0-2。それでも堂々の準優勝だ。主将の山浦は「これから先の三浦学苑の大きな財産」と胸を張った。
勝機はあった。四回1死二、三塁の先制機。ここで、中京は準決勝で計50イニングを完投している松井へスイッチする。
6番佐藤款の打席で、サインは初球から全てストライクなら打者が打って出て、走者がスタートを切る「ストライクエンドラン」だった。
しかし、3球目。高さはストライクでもコースは大きく外れた直球。おびき出された三走佐久間はタッチアウトになり、絶好機を逸した。
原点は秋の県大会初戦敗退だった。部室は過去3年間の県大会や関東大会で優勝した他校の新聞記事を張り、昨オフは100キロを走り込み、「這(は)い上がった」(佐藤款)という。
全国1回戦と準々決勝で、2試合連続の延長逆転サヨナラ。猛練習から培われた驚異的な粘りは全国で発揮された。1点差の七回1死二塁から園田が三盗に失敗したが、勇気を持って試みた結果だ。岡村悟司監督(39)も「あそこで走らなかったら、うちじゃない」と、持ち前の機動力野球を貫けたことを誇りに思っている。
あと一歩、手が届かなかった全国制覇。主将は「あとは気持ちの問題。来年の夏、この屈辱を晴らしてほしい」と後輩へ夢を託した。
【神奈川新聞】