夏の甲子園と神奈川大会の中止を受け、県高野連が独自に開催する「県高校野球大会」第14日は15日、サーティーフォー保土ケ谷球場など3会場で5回戦6試合が行われ、いずれも第1シードの東海大相模と三浦学苑、相洋などがベスト8進出を決めた。
東海は4点差を逆転し、相模原弥栄に七回コールド勝ち。立花学園は5─4で横浜創学館に競り勝ち、横浜は8─1で日大を下した。
第15日は16日、同球場など2会場で5回戦の残り2試合と準々決勝2試合が行われる。
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県高野連は15日、横浜スタジアムで行う準決勝と決勝の試合開始時間を発表した。22日の準決勝は第1試合が午前10時、第2試合が午後2時半、23日の決勝は午後2時半。また、同日午前10時から、県高校軟式野球大会の決勝を行うことも決まった。
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サーティーフォー保土ケ谷球場
(1)東海大相模-相模原弥栄(7回コールド)
相模原弥栄
020 020 0| 4
000 072 2x|11
東海大相模
【評】東海大相模が中盤から本領を発揮した。4点を追う五回2死から山村の3点ランニング本塁打などで7得点。四球を挟んで7短長打を連ねた。相模原弥栄は長打にスクイズを絡めるなどして一時4点をリード。守りでも無失策、2併殺と奮闘した。
○東海大相模・門馬監督 いろんなチームと戦って成長できるのが神奈川の高校野球。今日は勉強をさせてもらった。
○東海大相模・諸隈(今大会初登板) 久しぶりのマウンドで気持ちが出過ぎた。甲子園ではもっと攻める投球をしたい。
●相模原弥栄・鶴岡監督 先手だけは取られたくなかった。臆することなく公立校らしい野球ができた。
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(2)横浜商大-平塚学園(7回コールド)
横浜商大
001 000 0| 1
031 051 X|10
平塚学園
【評】平塚学園が先発全員の14安打、右腕柳沼も7回2安打1失点と攻守に圧倒した。二回に3点先取し、五回には打者11人で6長短打を集めて5点を奪った。柳沼は丁寧な投球で凡打を誘った。横浜商大は二回2死満塁の好機で無得点。活路を見いだせなかった。
○平塚学園・右腕柳沼(7回1失点の好投) ストレートとカーブで相手打線を翻弄(ほんろう)できた。出番があるか分からないけれど、東海大相模に投げ勝ちたい。
●横浜商大・黒田 (三つ上の)兄(泰斗さん)のように公式戦で平塚学園に勝ちたかった。3年生全員でつらいことも乗り越え、戦い切れて良かった。
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大和スタジアム
(1)三浦学苑-日大藤沢(試合終了)
日大藤沢
004 001 000|5
112 200 20X|8
三浦学苑
【評】12安打の三浦学苑が打ち勝った。逆転された三回に上村の2ランで同点とし、四回には阿部の二塁打と敵失で2点を勝ち越した。先発上村は四回以降は立ち直り、5失点で完投。日大藤沢も8安打と力強かったが、3失策やバッテリーミスが失点に絡んだ。
○三浦学苑・上村(三回に2ラン) 最近調子が良くなかったが気合で打った。テンパっていて打った球は覚えていない。
●日大藤沢・姫木(牧原と同じ通算29本塁打で引退) 同数なのはむかつくが一緒にやってきてよかった。一生のライバルなので大学で経験を積んでプロで追い越したい。
●日大藤沢・牧原 姫木が活躍すれば自分もと思ってやってきた。一生のライバル。姫木も必ずプロになると思う。
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(2)横浜-日大(試合終了)
横浜
104 000 201|8
000 001 000|1
日大
【評】横浜の右腕木下が伸びのある直球で押し、8回5安打1失点。無四球の制球力も光った。打線は5盗塁を絡めて揺さぶり、初回に津田の犠飛で先制、三回には庄子のソロ本塁打などで4得点した。日大は高良が粘投。六回に上田の二塁打を足場に一矢報いた。
○横浜・村田監督 木下は経験豊富なので、これくらいやってくれないと困る。彼らと残された時間が迫った中での試合。緻密な野球を少ない時間でやってきているが、選手たちが面白そうにやってくれているので助かっている。
○横浜・庄子(三回にソロ) 打った瞬間、行ったなと分かった。気持ち良かった。木下が踏ん張ってくれていたので、なんとか一本出したかった。
●日大・伊藤監督 4カ月間練習できない中、選手は例年以上にいろんなことを考えてくれた。さまざまな思いを抱えながら、これだけ戦ってくれた。感謝している。
●日大・主将久富 持っている力は出せた。みんなで助け合ってきた濃密な3年間だった。その思いを一人一人胸に刻んで、大学、社会人で頑張りたい。
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藤沢八部球場
(1)相洋-慶応(試合終了)
相洋
000 061 128|18
310 000 000| 4
慶応
【評】相洋打線が中盤から勢いづき、14安打で逆転勝ちした。0―4の五回、吉川の二塁打を皮切りに、2四球と国井の三塁打などを絡めて6得点。以降、毎回得点を重ねた。国井は3安打5打点の活躍。慶応は序盤4点を先行したが、投手陣が捉えられた。
○相洋・高橋監督 五回の攻撃が全て。選手たちの粘り勝ちですね。慶応のように実績のある学校と対等に戦いたいと、ずっと選手たちも願ってきた。
〇相洋・本田(2番手で登板し、5回を零封) いかに無失点でベンチに戻ってくるかを意識し、インコースを攻められた。見ている人はヒヤヒヤしたかもしれないが、気負わず投げられた。
●慶応・森林監督 一気にひっくり返され、踏ん張れなかった。3年生の最後としてはかわいそう。シード校を抑えられる投手陣の整備が必要。
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(2)立花学園-横浜創学館(試合終了)
立花学園
110 002 100|5
020 100 010|4
横浜創学館
【評】立花学園が接戦を制した。2―3の六回2死一、二塁から重盗に成功し、野村蓮の二塁打で逆転。4長打、5盗塁と攻めが自在だった。二回途中から救援の右腕小川は7回?を2失点。横浜創学館は2本塁打で応戦したが連打に欠き、守備のミスも響いた。
○立花学園・志賀監督(六回2死一、二塁から重盗を仕掛ける) 打者は左だったけど、ギャンブルを成功させないと勝てないと思った。選手は自分よりも「頂点に立つ」と口にしている。名のある学校に勝てて光栄です。
○立花学園・野村蓮(六回に逆転二塁打) みんなが最後まで諦めず声を出してくれた。塁間を抜くイメージで打った。
●横浜創学館・森田監督(六回の継投策について) できればイニングの頭から投げさせたかったが、(先発)市川は100球を超えていた。(2番手の松浦には)重盗は気にせず、打者に集中しろと伝えた。
●横浜創学館・潟(四回にソロ本塁打) 練習試合を含めて初めてのホームラン。追い付いてもすぐ追い付かれた。負けて悔しい。
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