夏の甲子園と神奈川大会の中止を受け、県高野連が独自に開催する「県高校野球大会」第13日は13日、サーティーフォー保土ケ谷球場など4会場で4回戦8試合を行い、ベスト16が出そろった。
海老名が第3シードの橘学苑に2─1で競り勝ち、第1シードの相洋、第3シードの横浜商(Y校)や立花学園などが勝ち上がった。ノーシードの横浜創学館は向上に逆転勝ち。伊志田は3-4で慶応に惜敗した。
14日は試合がなく、第14日は15日、同球場など3会場で5回戦6試合が行われる。
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サーティーフォー保土ケ谷球場
(1)藤沢翔陵-日大藤沢(延長10回タイブレーク)
日大藤沢
200 040 001 8|15
002 011 102 0|7
藤沢翔陵
【評】日大藤沢の左打者が振れていた。先発5人で計16安打。7―7の延長十回は山崎、今野の連続三塁打、姫木の満塁弾といずれも左打者の長打で試合を決めた。藤沢翔陵は右腕松尾が十回途中まで力投。小技を駆使した打線とともに粘ったが、最後に力尽きた。
○日大藤沢・山本監督 うちの中軸は対応力がある。よく対処してくれた。守備は練習量が足りていない部分もあるが、もう少し丁寧に戦いたい。
○日大藤沢・姫木(特大の高校通算29号) 牧原には負けたくない。次の試合で差を広げたい。一打席ずつ配球を変えられていたが、翔陵は「ここか」というところで仕掛けてくるから戦って面白い相手。
●藤沢翔陵・川俣監督 エース松尾で最後までいく考えだった。秋から逆転で勝ってきたチーム。(中盤以降の追い上げは)この子たちらしい野球ができたかな。
●藤沢翔陵・右腕松尾 内角の直球で押していこうと思っていたが、甘く入ったところを逃さず打たれた。自信のある真っすぐを打たれたので悔しい。でも悔いはない。
●藤沢翔陵・捕手鈴木 一巡ごとに外、内、高低と組み立てを変えていたが、最後は内角を使い過ぎてしまったかもしれない。ただ、しぶとく1点1点、取っていく自分たちの野球はできた。
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(2)横浜商-川和(試合終了)
川和
000 000 000|0
301 010 00X|5
横浜商
【評】横浜商(Y校)は投打がかみ合い、快勝した。右腕一宮はテンポ良く打たせて取り、6安打完封。野手陣は敵失に乗じて3点を先制し、以降も暴投と適時打で加点、守りも堅く主導権を渡さなかった。川和は左腕富田が好救援したが、初回の3点が響いた。
○横浜商・小嶋監督 一宮は丁寧に投げてくれた。次は笹川対(桐光学園の)安達。ここで笹川が休めたのは大きい。
○横浜商・笹川(2安打3盗塁) 打撃に専念する試合。初回のチャンスで先制点につなげられて良かった。次戦は厳しい球しか来ないと思う。1球で仕留められるようにしたい。
●川和・伊豆原監督 昨日も東大模試を受けてきた。8月に入ってからも勉強と野球をやってきた子たち。勝ち負けも大事だけど、みんなで球場に立てたことが何より…。これ以上の言葉はない。
●川和・主将井上 まず大会ができたことがうれしかった。きょうは負けてしまったけど、2回勝てた。やり切れたので満足。
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大和スタジアム
(1)慶応-伊志田(試合終了)
慶応
001 001 002|4
000 001 200|3
伊志田
【評】慶応が土俵際から試合をひっくり返した。2―3の九回、先頭坪田が中前打で口火を切り、2死一、二塁から深松の適時三塁打で逆転。勝負強さが目を引いた。伊志田は主戦越路が7回2失点。七回に山口の三塁打で一時逆転し、勝利まであと一歩だった。
○慶応・森林監督 いい意味で吹っ切れて次の試合に臨めると思う。まさに高校野球という試合を体験できるのは幸せなこと。コロナで一緒に活動できる時間が削られたので、一日でも長く戦いたい気持ちは強い。
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(2)橘学苑-海老名(試合終了)
海老名
000 100 100|2
001 000 000|1
橘学苑
【評】海老名が終盤のワンチャンスをものにした。同点の七回2死から連続四球で好機を広げ、麻生の左前打で決勝点を挙げた。尾羽沢、前原は制球良く外角を突き、1失点リレー。野手も堅守でもり立てた。橘学苑は八回まで1安打。投手陣を援護できなかった。
○海老名・前原(2番手で6回無失点の好救援) 相手のバッターのタイミング外すことができた。去年初戦敗退で自分たちの代も多く出ていたので、絶対に勝とうと思ってやってきた。
●橘学苑・主将上田 投手陣は2点に抑えてくれたが、野手が援護できなかった。一球で仕留める力が足りなかった。
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藤沢八部球場
(1)立花学園-橘(7回コールド)
立花学園
411 031 0|10
011 000 0|2
橘
【評】立花学園が先発全員の17安打でコールド勝ちを収めた。初回に3連打と敵失などを絡めて4点を先取。二、三回に清水、武井のソロ本塁打で加点した。小技や機動力を駆使した多彩な攻撃が光った。橘は三回に円井のソロアーチなどで見せ場をつくった。
●橘・主将滝口 チャンスで一本が出ず、もっと意識を共有していればよかった。今大会は結果で恩返ししようという戦い。いろんな人に支えられ、感謝いっぱいの3年間だった。
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(2)向上-横浜創学館(試合終了)
向上
010 100 001|3
011 000 30X|5
横浜創学館
【評】横浜創学館が接戦を制した。同点の七回2死満塁から久米、石田の連打で3点を奪って勝ち越した。計13安打は全て単打と、長打は出ずも勝負強さを発揮した。市川―松浦の継投も的中した。向上は主戦松村を軸に奮闘。九回に1点を返すも及ばなかった。
〇横浜創学館・森田監督 本当に投手陣は出来過ぎ。(向上・右腕松村対策は)高めだけは捨てようと伝えた。チームのスタートは全然駄目だったので、成長というか強くなった。自信がついたんじゃないか。
〇横浜創学館・主将石田 コロナの自粛期間はグラウンドに集まることもできなかった。各自がしっかりやってくれると信頼していた。
〇横浜創学館・久米(決勝打を放ち) 去年は自分も出ていて、何もできなかった。何とかしなきゃと思った。先輩からは球場に来る前に「絶対に勝て」とLINE(ライン)が来たので打てて良かった。
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バッティングパレス相石スタジアムひらつか
(1)星槎国際湘南-横浜隼人(試合終了)
横浜隼人
000 300 001|4
300 013 00X|7
星槎国際湘南
【評】星槎国際湘南が快勝した。初回に四死球を足場に4安打で3点を先制。同点の五回は代打増田の左前打で勝ち越し、六回は3点を追加した。14安打は全て単打で、コンパクトな振りを心掛けた。横浜隼人は粘りを見せるも適時打がなく、勢いに乗れなかった。
●横浜隼人・水谷監督 投手陣はよく投げてくれたが、星槎の打者に脱帽。試合後は毎年泣くが、今日は爽やかだった。
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(2)相洋-平塚湘風(7回コールド)
平塚湘風
000 000 0|0
600 001 X|7
相洋
【評】相洋は初回の先制パンチが効いた。2死から加藤の二塁打を皮切りに、四球を挟んでの3長短打で一挙6得点した。投手陣は吉川、石井が零封リレー。被安打3と危なげなかった。平塚湘風は継投策で流れを変えようとしたが、初回の失点が重かった。
●平塚湘風・森山監督 (今年の3年生は)たくさん辞めてしまった代ではあったが、マネジャーを入れて9人が最後まで残ってくれた。初めての4回戦進出は、よく頑張ったという言葉しかない。
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