夏の甲子園と神奈川大会中止を受け、県高野連が独自に開催する「県高校野球大会」第2日は2日、横浜スタジアムなど8会場で1回戦16試合を行い、横浜氷取沢が6-4で中大付横浜を下し、統合後の公式戦初勝利を挙げた。
武相の山崎悠翔(3年)が今大会第1号の本塁打を放ち、茅ケ崎北陵の三角大介(同)は五回参考記録ながら無安打無得点試合を達成した。
第3日は3日、サーティーフォー保土ケ谷球場など7会場で1、2回戦14試合が行われる。
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横浜スタジアム
(1)白山-戸塚(試合終了)
白山
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戸塚
【評】互いに無失策の好ゲームを、戸塚が制した。1点を追う五回2死から、内山、矢田、中村の3連打などで3点を奪って逆転。3投手の継投で相手の反撃を断った。白山は積極的な走塁が奏功せず惜敗。九回は1点差に迫るも、打球が正面を突く不運にも泣いた。
●白山・主将小川 (前監督の村田氏が率いる)横浜高校と戦いたかったがこれが今の実力。村田先生には自分たちの人生を変えてもらったので感謝の気持ちしかない。
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(2)橘-麻生(6回コールド)
麻生
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橘
【評】橘は2投手による継投で、無安打無得点に抑えた。先発近野は力のある直球で押し、菊地も危なげなかった。打線は初回に4四球に乗じ、打者一巡の猛攻で5得点。7盗塁と足でもかき回した。麻生は先発藤原が立ち上がりに崩れ、波に乗れなかった。
●麻生・主将長沼 (コールド負けに)正直しんどかった。池田監督と3年間やってきたので1勝したかった。
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サーティーフォー保土ケ谷球場
(1)関東学院-川崎北(試合終了)
関東学院
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川崎北
【評】川崎北の先発横山が7回3安打無失点と好投。内外へ小気味よく変化球を投げ分けて的を絞らせず、打線も四回にノーヒットで3点を挙げ終始優位に運んだ。関東学院は連続四死球とバッテリーエラーの失点が痛かったが、終盤の追い上げで意地を見せた。
○川崎北・主将桜井 まずは安心している。走者が出ても守り切ることができた。次は相模が相手だが、先制して投手陣を中心に守る自分たちの野球で挑みたい。
●関東学院・横尾(エースで主将) 入学時に10人いた同学年は4人に。後輩に助けられてきたが、最後は3年生が引っ張ることができた。
●関東学院・豊田(救援の2年生右腕) 打撃も投球も横尾さんを目標にしてきた。横尾さんを超えるエースになって秋以降に成績を残したい。
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(2)横浜氷取沢-中大付横浜(試合終了)
横浜氷取沢
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中大付横浜
【評】横浜氷取沢が勝負どころを逃さず、両軍計19安打の打ち合いを制した。同点の六回2死一、二塁で代打神田が左翼へ値千金の2点二塁打。無安打で締めた小瀬、林の好救援も光った。中大付横浜は小松が粘投も一歩及ばず。四、五回の好機に畳み掛けたかった。
○横浜氷取沢・浦道 出塁するのが1番の役割。勢いづけることはできた。次戦の慶応は強いけど、引かずにチェレンジャー精神で戦いたい。
●中大付横浜・小松(悲願の「夏1勝」に今年も届かず) 悔しさしかない。今年こそいけると言われ続けてきたのに、慢心、油断、努力不足。後輩たちには自分たちの分も勝ってほしい。
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大和スタジアム
(1)津久井・橋本-武相(6回コールド)
武相
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津久井・橋本
【評】ファーストストライクから積極的に振っていった武相が毎回の13安打11得点で圧倒。9番の曽我が2安打3打点、途中出場の山崎が大会第1号の2ランを放つなど切れ目がなかった。津久井・橋本は六回1死から木村、中島の連打で好機をつくる意地を見せた。
●津久井・橋本、杉田(津久井) 合同を組むことに最初は不安しかなかったが、秋から一緒にやってきて諦めない姿勢は出せた。
●津久井・橋本、中島(橋本) 合同チームでやったから出会えた仲間がいる。九回まで戦えなかったことは悔しいが、この貴重な経験を全員で共感できたらいい。
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(2)有馬-新羽(試合終了)
有馬
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新羽
【評】2併殺の守備、4犠打と堅実なプレーで流れを呼んだ有馬が接戦を制した。二回から救援の阿部は力強い直球で追撃をかわし、八回は自らダメ押しの適時三塁打を放つなど投打で活躍した。新羽は7回2失点と踏ん張っていた左腕石井大を援護したかった。
●新羽・石井大 大会がなくなると思って、4カ月近く何もやってなかった。それでも最後は七回まで投げられてベストは尽くせた。
●新羽・後藤 3年生のマネジャー全員にベンチに入ってもらいたかったので勝ちたかった。ここぞで打てなかった。
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横須賀スタジアム
(1)藤沢清流-逗子(試合終了)
逗子
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藤沢清流
【評】投打の軸がかみ合った藤沢清流が快勝した。初回に小柳の2点二塁打などで3点を先制。小柳は4点を加えた六回も中前適時打を放った。先発の主戦右腕・福富は変化球がさえ、4回無失点で後続に託した。逗子は七、八回に粘り強く反撃し、意地を見せた。
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(2)市・緑・釜・永・明-湘南学院(5回コールド)
市川崎・横浜緑園・釜利谷・永谷・横浜明朋
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湘南学院
【評】14安打14得点の猛攻で湘南学院が圧倒した。初回に四球、敵失に乗じ海老原の中前打などで3点を先制。セーフティバントなどの小技、6盗塁の足も一方的な展開の中で光った。市川崎、横浜緑園、釜利谷、永谷、横浜明朋は短い準備期間にも最後まで諦めず戦い抜いた。
〇湘南学院・主将大口(14安打14得点の猛攻) チームは雰囲気がいい。今年は(小技などの)細かいプレーもしっかりできる。
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藤沢八部球場
(1)茅ケ崎北陵-サレジオ(5回コールド)
サレジオ
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茅ケ崎北陵
【評】茅ケ崎北陵は右腕三角が伸びのある直球で押し、五回参考で無安打無得点を達成した。許した走者は四回の四球だけ。制球よく、61球で投げ切った。打線は4長打に7盗塁を絡めて10点を挙げた。サレジオは打線が沈黙したが、堅実な守りが光った。
●サレジオ・主将福井 代替大会が決まってからモチベーションを高めてきたが、目標の1勝を達成できなくて悔しかった。
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(2)茅ケ崎西浜-海洋科学(5回コールド)
海洋科学
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茅ケ崎西浜
【評】茅ケ崎西浜が46得点を奪う記録的な大勝。二回は打者4巡目に突入するなど大量リードにも攻め手を緩めず、毎回の32安打に17四球を絡めて一方的な展開に持ち込んだ。守っては児玉、辻が1安打リレー。劣勢を強いられた海洋科学は一矢報いたかった。
●海洋科学・主将森山 後輩たちはこの負けを胸に刻み、来年は1勝を目標に頑張ってほしい。
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いせはらサンシャイン・スタジアム
(1)城郷-座間総合(試合終了)
座間総合
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城郷
【評】座間総合の右腕別所が6安打完封。スライダーを巧みに操って11三振を奪い、三塁を踏ませなかった。打っても六回の先頭で左前に運んで出塁。続く栗山の二塁打などで3得点した。城郷は相手と同じく無失策。打線が投手陣の粘投に応えたかった。
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(2)秦野総合-菅(5回コールド)
菅
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秦野総合
【評】菅は機動力も絡めて大量点を奪った。初回に重盗で先制すると、その後も攻撃の手を緩めず5点を追加。12安打のうち11本が単打で、コンパクトな振りが目立った。秦野総合は投手陣がやや制球を乱したところを突かれた。打線も散発4安打と沈黙した。
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俣野公園・横浜薬大スタジアム
(1)港北-鶴見大付(試合終了)
鶴見大付
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港北
【評】港北の左腕中河が粘りの投球。10四死球を与えながらも、スプリットを利かし2度の満塁の窮地を脱した。攻めては1~7番が安打を放ち3盗塁も絡めて5得点。鶴見大付は2年生の継投。四回から登板の千葉は直球で押し込んで好ゲームを演出した。
○港北・エース中河(2度の満塁の窮地を切り抜け) 名塚先生の教え通り、ピンチの場面でも全力で低めに投げようと意識でき、スプリットをしっかり投げ込めた。
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(2)瀬谷西-逗葉(5回コールド)
瀬谷西
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逗葉
【評】瀬谷西は4安打ながら敵失と相手の制球難を利し、大勝した。初回と二回に3点ずつを挙げると、三回には冨田の走者一掃の二塁打などで6点を奪って試合を決めた。逗葉は守備の乱れが響いた。ただ、瀬谷西を上回る9安打を放つなど思い切りが良かった。
●逗葉・エース河野 入部したとき思い描いたように3年生全員でグラウンドに立てた。みんなに囲まれて投げられて幸せだった。
●逗葉・高野監督(定年を迎えるため今夏限りで勇退) 2012年秋に県大会8強入りしたときのような景色を見せてあげたかった。リードされても楽しそうにプレーしてくれてうれしかった。
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バッティングパレス相石スタジアムひらつか
(1)横浜学園-大磯(試合終了)
横浜学園
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大磯
【評】大磯が8盗塁の足を絡めて優位に立った。四回に上野、斉藤の重盗と瀬戸の犠飛などで逆転し、再びリードされた六回には4盗塁と5連打で4得点して再逆転。斉藤、池上の継投で踏ん張った。横浜学園はエース茂木が粘投も終盤に打ち込まれた。
○大磯・主将瀬戸 守備で点を取らせず我慢するのが自分たちの野球。序盤の悪い流れを取り戻せた。
●横浜学園・主将菅原 一つのミスで相手に流れがいった。3年間、夏1勝もできなかったが悔いなく野球をやれた。
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(2)生田-秦野曽屋(試合終了)
生田
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秦野曽屋
【評】秦野曽屋・塩田が1失点で完投し、夏の1勝に導いた。切れのある直球と変化球で内外角を突き13三振を奪った。4番宮原が2長打を含む3安打1打点と打線を引っ張った。生田は前野、西尾のリレーで粘ったが、初回の失策に絡む失点が最後まで響いた。
●生田・主将福嶋 最後にチーム一丸でいい試合ができたことがうれしい。
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