怖いもの知らずだった名門の主砲が、勝負の厳しさを突き付けられた。

2019年7月25日、神奈川大会準々決勝。史上3校目の4連覇を狙った横浜は追い詰められていた。ノーシードの県相模原に最大5点のリードをひっくり返され、6-8で最終回を迎えた。
2者連続で四球を選び、一発が出れば勝ち越しの場面で、4番の度会隆輝は118キロの変化球を打ち上げた。送りバントも考えられた分岐点での強攻策は遊飛に終わり、そのまま8強で姿を消した。試合後には周囲からの批判も耳に入ったが、「人がどうこう言うよりも、先輩たちに申し訳ないという気持ちが強すぎて。技術不足。一秒でも早く練習がしたいと思った」。定期的に動画を見返すほど、屈辱の敗北は胸に刻まれた。