
昨春からエースと主砲の“二刀流”として活躍してきた左腕が、その肩書にこだわるのをやめた。「自分が投げないと勝てないという理由から投手に専念する」。桐光学園の安達壮汰は、未到の神奈川の頂に立つために大きな決断を下した。
昨秋の県大会では8試合のうち7試合に登板。打率3割6分7厘、4打点をマークするなど投打の大黒柱として引っ張ったが、決勝で東海大相模に2─6で敗れた。
さらに、2001年以来となる選抜大会出場を懸けた関東大会準々決勝、桐生第一(群馬)には4─10で完敗。手にできなかった1勝をつかむため、野呂雅之監督(59)の「あえて主軸から外れた方が思い切り投げられるだろう」という考えを受け入れた。