
23年ぶりに進んだ決勝で、歴代ワーストの24失点。昨夏の神奈川大会でマスクをかぶっていた日大藤沢の牧原巧汰は「せっかくの決勝で、何も考えられなかったことが悔しくて。早く終わってくれ、という感じだった」。計5本のアーチを食らった東海大相模を倒すためにどうすれば良かったのか。答えを求めた1年でもあった。
同じ捕手出身で黒羽根利規(現日本ハム)らを育てた山本秀明監督の指導を受けたくて、春夏通算4度の甲子園出場を誇る日大藤沢に入学した。「相模や横浜を倒して甲子園に行きたい。監督さんから学ぶことで、これからの野球人生につなげたい」。中学3年から本格的に捕手に挑戦した牧原は指揮官の教えを貪欲に吸収していった。