
「100回目の夏」は、大阪桐蔭(北大阪)の史上初となる2度目の春夏連覇という偉業で締めくくられた。西谷浩一監督は通算7度目の全国制覇となり、同じ大阪のPL学園を率いた中村順司・元監督を抜いて歴代1位に躍り出た。2000年代が大阪桐蔭の時代ということを知らしめた大会だった。
何人ものプロ注目選手をそろえるスター軍団は断トツの優勝候補に挙げられていたが、済美(愛媛)との準決勝を含め、6試合中3試合が逆転勝ち。決して楽なトーナメントではなかった。
最後は大会ナンバーワン右腕吉田を擁する金足農(秋田)に13-2で圧勝。いずれもドラフト1位候補の根尾と藤原が3本塁打を放つなど役者が仕事をした。大会を通じて喫した計12失点のうち1イニングに2点を取られたのが一度だけと、傷口を最小限に抑える試合巧者ぶりは圧巻というほかない。優勝候補の重圧、厳しいマークをはねのけた強さは、まさに本物だった。
金足農は3回戦で横浜を逆転で下したほか準決勝でも日大三(西東京)に競り勝つなど、名門チームを次々と破り、秋田勢として103年ぶりの決勝進出。準決勝までを一人で投げ抜いた右腕吉田の剛速球は、鮮烈な印象を残した。