26日に横浜スタジアムで行われた高校野球の南神奈川大会準決勝。創部97年目の伝統校・鎌倉学園高が30年ぶりに決勝進出を果たし、創部8年目の星槎国際高湘南は準決勝で横浜高に敗れて初の決勝を逃した。ともに歴史を刻んだ応援席で、OBらが熱い声援を送った。
古豪が復活した鎌学のスタンドは歴代OBで埋まった。ベイスターズなどでプレーした若田部健一さんとともに1987年夏に神奈川4強入りした二塁手の岩田光徳さん(49)は「今までで一番甲子園に近い代。鎌学の“K”の重みを背負って必ず行ってくれるはず」と期待を込めた。
88年夏の決勝を指揮した元監督の武田隆教頭(62)は「30年は長かった。素直にうれしい」と自らの労苦も重ねて喜んだ。夏初制覇への6度目の挑戦に向け「優勝と準優勝では天と地の差。自分は地獄を味わった。何としても勝ってほしい」と思いを託した。
土屋恵三郎監督自らが「新参者」と呼ぶ星槎国際高湘南は、名門横浜高を相手に奮戦。4番の松下壮悟主将(3年)の3ランで先制すると、5点を追う九回裏にも5安打で1点差まで詰め寄り、スタンドを沸かせた。星槎グループの宮澤保夫会長(68)は「スターがいなくてもここまで戦えるなんて想像できなかった」と涙した。
「誰からも感謝される人を野球を通して育てたい」と創部して8年。桐蔭学園高を10度の甲子園出場に導いた土屋監督を3年前に招いた宮澤会長は「野球だけでなく、粘土で一から芸術作品をつくるような教育をしてくれた」と感謝していた。