大会も残り1週間。さまざまなチームを取材する中で、思わず応援したくなるようなチームに出会うこともある。
秦野総合もその一つ。4回戦で選抜出場校の慶応に七回コールド負けしたとはいえ、二回に2点差まで追い上げた集中打は見事。打った三橋自身が「鳥肌が立った」という観衆の大歓声も味方に付けていた。
三振してもバッターボックスの土をならしてからベンチに戻る。一塁まで全力で駆け抜ける。試合終了後、泣きじゃくりながらも「最後までやり通そう」と言い合って荷物を運び出す。最後まで「全力野球」の姿に、遠くなった球児時代を重ねて見ている自分がいた。
3年生が引退して9人からの再スタートになるという。先輩が築き上げた財産は必ず生きる。