第100回全国高校野球選手権神奈川大会第5日は14日、サーティーフォー保土ケ谷球場など11球場で2回戦22試合を行い、シード校がそろって勝ち進んだ。
南神奈川は前年王者の横浜と、第1シードで唯一の公立校の金沢がともに七回コールド勝ち。第2シードの立花学園は県横須賀工と延長十一回の末、5-4で辛勝した。
北神奈川は選抜大会4強の東海大相模が12-2の五回コールド、春季県大会準優勝の桐光学園は8-0の七回コールドでともに大勝。第2シードの向上は6-3で新栄に競り勝った。
第6日は15日、横浜スタジアムなど9球場で2回戦18試合を行う。
▽2回戦
百合丘(中栄信金スタジアム秦野)
000 03|3
082 03x|13
厚木
【評】厚木は二回に6長単打に敵失を絡めて8得点と一気にリードを広げた。先発二平は直球主体で4回2安打無失点、打ってはソロ本塁打を含む2打点と活躍した。百合丘は二回に5失策、五回には奥村が3連続四死球を出すなど、守りから崩れてしまった。
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百合丘ひとすじ40年目-。それが父子を強く結ぶ。「こんな野球人生が送れるなんて幸せ」。3-13の五回コールドで敗れた百合丘の宮地洋人監督(55)は、7番・二塁で先発した長男・樹とともに戦った夏をかみしめた。
「3年間の感謝を勝利で伝えたかったけれど、自分のせいで…」。試合後、樹はむせび泣いた。先制された直後の二回無死一、三塁。正面の打球を取り損ね、相手に勢いを与えてしまった。
それでも「泥くさく頑張っていた」と指揮官はたたえる。自らの高校3年時には百合丘の主将として横浜との初戦で敗退。以降、浪人中の19歳から母校で指揮を執り、「一緒に戦う運命だった」というストライプのユニホームを着続けている。
樹が誕生して4カ月後の2001年5月。百合丘は県大会で準優勝し、関東大会ではその夏の甲子園を制する日大三(東京)にも勝利。その時も樹はスタンドで母・順子さんに抱かれながら、神奈川の「公立の雄」として一時代を築く父と共に戦っていたという。
ラストゲームは1時間49分で終わった。「野球がなかったらこんなにお互いを理解し合えなかった」。父子は口をそろえた。
○厚木・二平(左翼へソロ本塁打) 体が勝手に反応して驚いた。次も投打でチームに貢献していきたい。