

「先輩方のすごさは感じているが、そこには絶対に負けたくない」。日大のエース左腕・中島悠貴が語るのは、春の県大会を40年ぶりに制し、夏はベスト4に名を連ね、「日大史上最強」とまで呼ばれた2005年のチームのことだ。
伊藤謙吾監督(45)が率い、後にドラフト1位でソフトバンク入りする荒川雄太ら多数のタレントを抱えた黄金世代。あれから12年が過ぎた昨夏、ノーシードの日大が再び4強入りを果たした。躍進を支えたのが、2年生ながら大黒柱を務めた中島だった。
5回戦では大会ナンバーワン右腕と注目を集めた星槎国際湘南の本田仁海(オリックス)と投げ合って完投勝利。最速140キロを超える伸びのあるストレートと闘志みなぎるピッチングは、プロのスカウトも注視する。
新チームでは、右のエース・北野秀造との二枚看板で、さらなる快進撃が期待されたが、そう簡単にはいかなかった。