
使い古された言い回しかも知れない。でもやはり、こう思う。写真は時代の証言者なんだなと。
地元紙として積み上げてきた写真や紙面を整理するアーカイブという作業が、僕の仕事だ。夏の高校野球100回大会に向けた連載「K100」に合わせ、ほぼ毎日、資料室にこもって、袋に詰め込まれたフィルムとにらめっこしている。
「原辰徳のさ、2年夏の甲子園の合宿所で撮ってる写真ある?」「ジャンボさんのパレードはないの?」。電話が鳴れば、また運動部デスクからの依頼だ。
そうした要望に素早く応えられた時もうれしいが、僕にとっては、歴史の森に迷い込むことが、至福の時間(とき)なのだ。
「ツッパリ」の応援団。本当にこんな髪型だったんだ。なんで試合後に子どもたちがグラウンドに下りて遊んでいるんだろう。大監督の顔、すごいテカテカしている。脂が乗っているってこういうことか。この球場、昔はこうなっていたんだ。女子はみんな「聖子ちゃんカット」をしているな。