東海大相模24-1日大藤沢
無得点に抑えた初回に、タテジマの威力を痛感した。いきなり三つ、強烈なライナーが外野に飛んだ。「春に対戦した時とは打球が違った。三者凡退でしたが、5点は取られるなと思った」。日大藤沢のエース武冨は、そう悟ったという。
生命線である左打者外角へのスライダーを完全に見切られた。カウントを取りに行けば痛打された。「相模がそういう打撃をすることは分かっていた」。緩急で空回りさせ、山本昌広氏から教わったツーシームを勝負球にするはずだった。
四回、鵜沼に2本目のホームランを打たれたところで降板。9失点。何もできなかった。
横浜隼人のプロ注目佐藤に延長で投げ勝ち、鎌倉学園、桐光学園と第1シードを一人で抑えた。前評判以上の好投で23年ぶりの決勝に導いたが、計36回1/3を投げた体は限界に近づき、もう球は走らなかった。
山本秀明監督(49)は、教え子にこう期待する。「武冨はこの先も、さらにその先もある投手。いつかは同級生にとって、自慢できる選手になってほしい」。本人もそのつもりだ。