県相模原4-3横浜商
最後の一球。内角を突くはずが、真ん中へ入った。
打たれた瞬間にサヨナラを悟った。「あの一球は悔いが残ります」。Y校のエース篠崎の目から涙がこぼれた。
想定よりも早い三回途中からの救援は、6回を投げた前日の4回戦に続く1点もやれないマウンドとなった。私学を続けて打ち負かした県相模原の強打には緩急がポイントだと思っていたが、そんな思いを振り払った。
「相手も最後は気持ちでくる。それに上回る気持ちで押していく」
終盤に直球が伸び始めた。小嶋一紀監督(47)も「ギアを上げた。本当によく投げた」と教え子の底力に驚いた。
延長十一回、1死満塁で今大会4本塁打の温品と対した。「良い打者だから厳しく内側を攻めようとした。でも、ぶつければ押し出しということも頭によぎってしまった」。初球。攻め切れなかった。自身2失点目が夏の終わりを告げた。
勝てば宿敵横浜と、8年ぶり14度目となる夏の「YY対決」だった。マリンブルーの歴史を紡いだ背番号1は「もうこの先は、悔いを残したくない」と、卒業後も野球を続ける決意を語った。