横浜3-1三浦学苑
この一週間で26イニング目。横浜の強力打線を3得点にとどめてきた三浦学苑のエース渡辺が、九回1死一、二塁のピンチを迎えた。
「この相手を倒すために練習してきたんだ」。右腕に力を込め、二回から配球の中心に据えたスライダー、フォークボールの切れがよみがえる。内海を内角攻めで一ゴロ、度会は遊飛に。名門の好打者2人を抑え、静かに拳を握り締めた。
前回対戦したのは昨秋の県大会2回戦。初回に大量11失点を喫し「一人で試合を壊して、打ち込まれて…。今までにない悔しさを味わった」。
この日も、いきなり先頭から5連打を浴び2失点したが「今日は違った」と渡辺にも意地があった。なおも1死満塁から併殺打で切り抜けると、二回にも内海を遊ゴロ併殺に。以降を1失点に抑えてみせた。
中学時代は強豪、湘南ボーイズで汗を流し、私学5校の誘いから、まだ甲子園に出場したことがない三浦学苑を選んだ。
高校最後の試合を「全員で戦えた最高の試合」と一度は振り返った右腕は「負けて『最高』はないですね。いい試合、くらいですかね」と言い直し、最後まで負けず嫌いを貫いた。