横浜商5-4藤沢清流

「まさか1球目から来るとは…」。決勝点を奪われた八回1死三塁。
藤沢清流内野陣は当然、スクイズを警戒していたが、捕手山口は「それまでバントを決められていなかったし、初球はないだろう。ストライクを取れば配球も楽になる」と高め直球を要求した。
しかし、難なく三塁線に転がされ勝ち越された。ウエストボールで入る選択肢もあったが、山口は「普段やっていないことをやるより、ピッチャーの力に任せた。相手の勝負強さはさすがだった」と目を腫らしながら潔く敗戦を受け入れた。
第2シードで挑んだ今夏。坂井の2ランに見る打撃力、無失策の堅守は厳しく鍛えてきた証しだ。榎本正樹監督(31)は「悔いはない。選手は胸を張ってほしい」。明暗を分けた一球は、新チームへの糧となる。