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高校野球神奈川大会
イニング間「体冷やして」 横浜国大・田中教授

高校野球 | 神奈川新聞 | 2019年7月7日(日) 05:00

 めまいや吐き気、時には意識障害を起こし命を落とす危険性もある熱中症。熱がこもりやすいユニホームに身を包んでプレーする野球は、特に注意が必要だ。審判やスタンドで応援する保護者もひとごとではない。熱中症から身を守るため、専門家は「イニング間に、いかに体を冷やすかがポイント」と指摘。着替えや氷水などを準備する必要性を訴えている。

休んで水分補給


小まめに水分補給する選手=昨夏の北神奈川大会決勝から
小まめに水分補給する選手=昨夏の北神奈川大会決勝から

 環境生理学や運動生理学が専門の横浜国大教育学部の田中英登教授(61)によると、熱中症は暑い環境で発生する障害の総称。(1)熱失神(2)熱けいれん(3)熱疲労(4)熱射病-の型がある。

 運動などで体が熱くなると、発汗と熱の放出で体温のバランスを保とうとする。しかし、気温が高くなり熱の発散効率が悪くなると、生理機能や体温の調節がうまくできなくなり発症する。

 大事なのは予防だ。十分な睡眠と食事をとり、運動中は小まめに水分と塩分を補給し、適度に体を休める。それでも熱中症は襲い掛かってくる。

 発症後は、すぐに体を休めて水分を取り体温を下げる。頭がボーッとする「熱失神」や足がつる「熱けいれん」は、こうした対応で回復するという。

死に至る熱射病


熱中症の類型や症状
熱中症の類型や症状

 注意したいのが、めまいや吐き気などが生じる「熱疲労」。過度な運動で起こりやすいパターンだ。水分補給や体を冷やす対応が遅れたり、熱けいれんなどを併発したりすると、死に至る危険性がある「熱射病」になることがある。

 体温が40度以上まで上昇し、意識障害などを起こす熱射病は、脳に異常を来した状態。高体温が続けば、脳だけでなく肝臓や心臓などの障害も引き起こすという。

 田中教授は「応答が鈍い、言動がおかしいという状態であれば、専門家に任せるしかない。迷わず救急車を呼び、車が来るまでホースで水をかけて体温を下げ続ける必要がある」と警告する。

軽症にとどめる


横浜国大・田中教授
横浜国大・田中教授

 同大学硬式野球部で部長兼任監督も務める田中教授は、35度以上の猛暑日が続くことがある最近の夏の気候を念頭に、「以前は『熱中症は100パーセント予防できる』と言っていたが、今は違う。いかに軽症にとどめるかが大事」と指摘する。

 炎天下のグラウンドやスタンドは、気温よりも10度近く高くなる。いかに体温の上昇を抑えるか工夫が必要だ。田中教授は「理想は冷水を浴びることだが、試合中は難しい。イニング間に、氷水に浸したタオルを当てたり着替えたりして体を冷やしてほしい」と話す。

 ひとたび熱中症にかかれば、選手はプレーできなくなり、保護者は応援できなくなる。田中教授は、小まめに水分や塩分を補給し、イニング間に体を冷やすことを推奨する。


 ◆熱中症救急搬送数 消防庁によると、2018年(5~9月)の熱中症の救急搬送は全国で9万5137人(神奈川は4710人)。このうち、梅雨明け後の急な暑さで熱中症にかかりやすい7月が5万4220人(57%)、8月が3万410人(32%)。この2カ月で全体の約9割を占める。

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