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新時代 令和の潮流(中)
「体守りうまくなる」球数ルール

高校野球 | 神奈川新聞 | 2019年6月29日(土) 11:38

米国流健康管理


ブルペンで投球練習する市ケ尾の右腕羽生(右)と見守る菅沢監督。この日、羽生は自分で設定した30球を一球ずつ確認しながら投げ込んだ=市ケ尾高
ブルペンで投球練習する市ケ尾の右腕羽生(右)と見守る菅沢監督。この日、羽生は自分で設定した30球を一球ずつ確認しながら投げ込んだ=市ケ尾高

 ブルペンにエースの姿が見当たらない。グラウンドを探すと、市ケ尾・大脇文仁(3年)は野手に交じってティー打撃を繰り返していた。「4日前に120球放ったので、あしたまで投げません」。独自に実践している投球数ルール「市ケ尾ピッチ・スマート」の一環だ。

 「子どもの体を守ることが第一だが、この取り組みの方がうまくなるし、勝てると本気で思っているんです」。2017年秋から指揮を執る菅沢悠監督(31)は自信たっぷりに言い切る。

(上)合同チーム「今ならここが良い」
(下)「強みを数字で証明」最新鋭機器

 「ピッチ・スマート」は、14年に米大リーグ機構(MLB)と米国野球連盟が18歳以下の投手の健康管理を目的として作成したガイドライン。菅沢監督はこれを参考に▽35球以下=連投可能▽36~50球=中1日▽51~65球=中2日▽66~80球=中3日▽81~99球=中4日▽100球以上=中5日-と、投球練習や試合の球数に応じて休養日を定めた。

 昨夏からエースナンバーを背負う大脇は、最も長い中5日の“休養期間中”だった。「球数が多いと肩を痛めやすいので助かる。投球フォームなどを一から見つめ直す時間にもなっている」と前向きに取り組む。

複数の投手起用

 初任地の向の岡工で指導していた当時、菅沢監督の元に力のある1年生左腕が入部してきた。しかし、肘には中学時代の手術の痕。登板した翌日は、キャッチボールすらままならなかったという。「けがの影響で肘が張る。この子を連投させちゃいけないという思いから、全てが始まった」。野手出身の同監督も、自然と投手の球数には敏感になった。

 そんな折、指導者向けのセミナーで「ピッチ・スマート」と出合った。「自分の中にベースとしてあったものが、具現化されていた。日本の高校野球でも取り入れられるはずだ」。部分的に改良を加え、市ケ尾の監督となった直後に導入した。

 大胆な改革に選手は戸惑った。リリーフの羽生荘介(3年)は「1年生の時に急に聞かされて、これから投球が制限された中でやるのかと不安だった」と明かす。

 練習試合では複数の投手を起用。控えピッチャーにも登板の機会が巡った。菅沢監督は「エースの大脇と2番手の羽生は、入学当初は7番手とか8番手。一番下で正直ひどかった。それでも試合で投げる経験を積んできたことは、彼らが伸びた要因の一つ」と言う。

 “市ケ尾流”で初めて挑んだ昨夏は計6投手が登板。北神奈川大会のベスト16まで上り詰めた。

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