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新時代 令和の潮流(上)
合同チーム「今ならここが良い」

高校野球 | 神奈川新聞 | 2019年6月28日(金) 15:52

 昨夏に100回記念大会という大きな節目を迎えた夏の甲子園。その聖地を目指し、2019年もまた神奈川の181校が激闘を繰り広げる。過去最多六つの合同チームが出場するほか、チーム内で“球数ルール”を取り入れたり、最新鋭の測定器を導入したりするチームが現れるなど、高校野球を取り巻く環境は大きく変わりつつある。令和最初の夏、新時代に響く球音の行方を追う。

(中)「体守りうまくなる」球数ルール
(下)「強みを数字で証明」最新鋭機器

「なんかダサい」


笑顔で話し合う愛川・厚木清南・中央農の3校の連合チームの選手やマネジャー
笑顔で話し合う愛川・厚木清南・中央農の3校の連合チームの選手やマネジャー

 6月下旬、練習試合のためにグラウンドに集まった選手たちのユニホームは、おそろいではなかった。2017年秋から一緒にプレーしている「厚木清南・愛川・中央農」の合同チーム。今春に4人の1年生が加わり、メンバーは総勢13人だ。

 「最初は合同というと、なんかダサいイメージで、心の片隅では単独で出場したい気持ちがあった」。キャプテンの斉藤光紀(3年)=中央農=が打ち明ける。初めて一緒に戦った2年前の秋は複雑な思いを抱えていたというが、続く春の地区大会で1勝を挙げる喜びも味わった。

 3校の連携はそれが最後のはずだったが、18年春に加わった新入部員は、いずれも数人。それぞれが単独チームを目指しながら、一度少なくなった部員を取り戻すことは簡単ではなかった。

 再び合同チームを組むことは自然の流れで、石岡拓朗監督(31)=愛川=は「OBは単独という枠組みにこだわるんですが、子どもたちは徐々に集まることを楽しみ始めた」と変化を感じ取っていた。その当時、3校の指導者がいずれも東海大出身という縁もあり、コミュニケーションがスムーズに進んだことも後押しした。

「全員同じ学校」

 平日は各校で打撃練習や守備の基本動作の反復に時間を割き、休日には愛川高などに集まって練習試合やチームプレーを磨いた。

 「全員同じ学校の生徒だと思ってやろう」。石岡監督が指針を示し、各校の指導者も選手たちが迷わないように意思を統一した。愛川で主将を務める川野智貴(3年)は「いろんな先生から教わることができた」と実感を込め、斉藤も「人数が少ない分、球数は打ってきた」と、困難な環境も前向きに捉えている。チーム独自の簡略化した攻守のサインプレーなども一からつくり上げてきたという。

 学校やバックグラウンドが違う選手たち。週末の全体練習後のミーティングや、会員制交流サイト(SNS)のグループラインなどで互いの絆を深めてきた。いつしか、カラオケやボウリングなどにも一緒に行くようになった。

 時に激しく言い争うこともあったが、「いろんな考えを持つ人をまとめるのは難しい。でも、この経験はこれから社会に出たときに役立つと思う」と斉藤。1年生が2人だけの厚木清南・峯崎星護は「2人では試合もできないし、練習も限られる。最初は怖かったけど、人数がいると楽しいし、先輩と交流もできるので、週末が楽しみ」と目を輝かせる。

「挑戦者として」

 12年から部員不足解消のために認められた合同チーム制度。全国有数の激戦区・神奈川でも00年の207校をピークに減少し、今大会は181校となった。

 一方、合同チームは年々増加しており、今夏は過去最多の6チーム(14校が参加)に増えた。

 石岡監督は「これからもっと増えると思う。今はどこの学校と組むのかは顧問同士のつながりに委ねられているが、その枠組みに入れない顧問も出てくるのではないか」と指摘。今後は、県高野連などが組織的にサポートする制度も必要になってくるだろう。

 初めて3校で出場した昨夏は初戦敗退だったが、好勝負を演出した。3校以上の合同チームが2年連続で出場するのは史上初。リードオフマンの川野は「今は合同チームで良かったと思える。ミスをしても励まし合って、一人一人が次へ次へとつなげていく。自分たちは挑戦者。後ずさりせず戦っていきたい」。2年近く同じグラウンドで汗を流したこの仲間と、夏の公式戦での初勝利をつかんでみせる。


 

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