11日に甲子園球場で行われた高校野球の第99回全国選手権大会1回戦で、神奈川代表・横浜高は惜しくも初戦敗退したが、主将の福永奨捕手(3年)が3点本塁打を放つなど4打点でチームを最後まで引っ張った。かつて自身も甲子園を夢見た父・協さん(51)は、アルプススタンドから、息子の勇姿を見届けた。
「横浜高校という名門のキャプテンとして、苦労している部分も見てきた」。今夏の神奈川大会では、先発マスクを外れることが多かった福永主将。主将なのに試合に出られない。弱音は決して吐かなかったが、苦しんでいるのは分かっていた。「飯は食ってるか?」。「食べてるよ」。無料通信アプリLINE(ライン)で交わす言葉は少ないが、すぐに返事があるだけで安心した。
「自分にとっても甲子園は憧れの場所。息子が夢をかなえてくれた」。父も元高校球児だ。33年前。