「西湘の覇権」を懸けた平塚学園とのダービーを制し、3年ぶりに8強入りの相洋。4回戦まで中軸だった小栗を1番に置く打順組み替えが奏功した。「初球から振っていくことだけを考えた」という2年生は4安打でチームを勢いづけた。
高校通算17本塁打の左の強打者は4月に左すねを骨折。全体練習に完全合流したのは6月下旬で、大会直前の登録変更でメンバー入りした。小栗は「人より練習できなかった分、一球に集中力を持って臨んでいる」と必死だ。
準々決勝を戦う横浜には昨秋の県大会4回戦で、延長十五回引き分け再試合の末敗退。小栗は1本塁打を放っており、再戦を心待ちにしていた一人だ。「デカいのは狙わず、鋭く振り抜きたい」と5回戦同様の積極打法で雪辱に挑む。
平塚学園は粘って5四球を選び、4盗塁を決め、三回から5イニング連続で得点圏に走者を置き、あの手この手で攻撃を仕掛けた。
だが、思うようにスコアボードを動かせない。相洋の右腕伊藤寛のスライダーを「見逃す指示を出したが振らされた」と八木崇文監督(38)。適時打は1本しか出なかった。
相洋には3年前の夏は5回戦で惜敗、今春は4回戦で辛勝。ライバル関係はこれからも続くが、「残った下級生が何を感じるか」と指揮官。4番増田は「頼んだぞ」と後輩たちにリベンジを託した。