中央農の主将野田は涙を浮かべ、唇を噛んでいた。0-7のコールド負け。泥でかすんで見えるユニホームの「CHUO」の文字が選手たちの奮闘を物語る。
「点を取られても必死に食らいついた」と闘志を見せ、中盤まで接戦に持ち込んだ。春の県大会3試合で68失点したひ弱なチームではなかった。
2年前の主将で、現在は松蔭大で投手として活躍する大野雄輝さんも応援に駆けつけた。「あのとき伝えた粘り強さが続いていて、奮い立った」と後輩をたたえた。
今春、神奈川大学リーグの入れ替え戦で勝ち投手になった先輩から、「負けん気を学んだ」という野田。「不屈」という言葉を胸に戦い、「全力を出し切れた」と最後は笑顔を見せていた。