第99回全国高校野球選手権神奈川大会第2日は9日、横浜スタジアムなど7会場で1回戦20試合を行い、古豪の横浜商(Y校)などが2回戦へ駒を進めた。
9イニングで決着がつかない熱戦が多く、上溝南-追浜は延長十二回に上溝南が4番梶原海都(3年)の中前適時打で勝ち越した。横浜栄は延長十一回に押し出し四球で湘南台にサヨナラ勝ちした。
藤沢翔陵の左腕西澤翔太(3年)は、15三振を奪う力投で岸根から1失点完投勝利を収めた。瀬谷は八回に大内響(2年)が勝ち越し本塁打を放ち、浅野を下した。
10、11日は試合がなく、第3日は12日に小田原球場など10会場で1回戦20試合を行う。
◆上溝南7-2追浜 (イニングを見る)
ミスは前に出て取り返す。勝機は動いてつかむ。延長十二回、上溝南の勝ち越し劇にはそんな哲学が詰まっていた。
主役は4番梶原だ。1死二、三塁となった打席。「散々迷惑かけた。どうにか取り返したかった」。ここまで得点機を2度つぶし、捕手としても七回に二つ投球を捕り損ね(記録は暴投)、同点を許していた。最後は追い込まれても冷静に配球を読んで浮いた直球を中前に打ち返し、主戦重原の熱投に応えた。
一、三塁となって、次は一走として仕掛けた。「相手の足が動いてなかったので、いけるかなと」。ディレードスチールが捕手の送球ミスを誘い重盗成功。さらに3点を加え、試合を決めた。
計8盗塁と動いた裏に、4度のけん制アウトがあった。「それでも」と、田中春彦監督(39)は言う。「簡単にヒットが出る打線ではないので足でプレッシャーをかけるスタイル。ミスもあったが、その重圧が最後に効いたのだと思う」
次戦は強豪・桐蔭学園に挑む。「戦い方は変えない。粘り強く向かっていく」と梶原。怖いものはない。もっと前のめりでいく。
●追浜・石井拓 (206球の熱投)最後は甘さが出てしまったが、やってきたことのすべてを出せた。