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革命児たち 夏に挑む5校(3)番狂わせへ ネタ満載 橘学苑

高校野球 | 神奈川新聞 | 2017年6月30日(金) 02:00

三塁でゴロ捕球の練習をする橘学苑の選手たち。そのすぐ後ろでグラウンドは終わっており、中堅後方にはマンションが迫る =横浜市鶴見区の橘学苑高グラウンド
三塁でゴロ捕球の練習をする橘学苑の選手たち。そのすぐ後ろでグラウンドは終わっており、中堅後方にはマンションが迫る =横浜市鶴見区の橘学苑高グラウンド

 「この環境を言い訳にするかネタにするか。やるからには勝って、良いネタにしよう」。橘学苑の石黒滉二監督(44)が選手を奮い立たせる殺し文句だ。

 創部12年目の新興勢力は、2010年春の4強を最高に、今春を含め4度も8強以上に進出。県内の強豪校では、最も恵まれていないだろう練習環境をばねにしてきた。

 横浜市鶴見区の住宅街にあるグラウンドは日曜の練習に加え、早朝と夜の声出しは禁止されている。面積は狭く、形もいびつだ。三塁後方は山の斜面で、中堅の位置に打撃ケージが並ぶ。狭小住宅さながら、無駄を許さない工夫を施す。


不利を有利に
 外野守備は手でボールを上げ、追い方を練習する。主将島本悠己(3年)は「強豪の打球の伸びには正直苦労する」と語る。一方で、「練習試合など限られた機会で感覚を養おうとするので、1球に対する集中力が違う」とも。その意識が、打球に食らい付く姿勢につながっていく。

 フリー打撃もできない分、確実なバント力を身に付け、打撃もケージの中だけという条件を逆手にセンター返しを磨く。

 桐蔭学園出身で千葉の拓大紅陵、藤嶺藤沢などでコーチを務めた監督は走塁や守備シフトに至るまで、多彩な引き出しから合理的かつ癖のある手を打つ。

 求めるのは「我慢強く戦う力」をベースに「ややこしいことをする野球」だ。例えば左投手からのスクイズは最初からバットを寝かせる。「左は三走のスタートが見えないから最初から構えていても同じ。バントがいい所に転がる確率も上がる」。単純で意外な策は、この春の4回戦でも2度成功させている。


4強超え
 今季、パ・リーグで新人ながら5勝を挙げている右腕黒木優太(立正大-オリックス)を擁しても破れなかった「4強の壁」は、監督自ら「厚い」と認める。今春も準々決勝で東海大相模に3-13でコールド負け。「がっぷり四つに組んで勝つ力はない。ただ相手が6割の力しか出せなかった時に、勝てるだけのチームはできている」

 主将が言葉を継ぐ。「うちは中学から有名な選手はいない。でもここで強い高校を倒したいという思いで来ている」。反骨心が推進力だ。

 今夏は森屋樹、松本優陽の2右腕に左腕高波直生という3年生の3投手で臨む。エース森屋は「継投で一人一人がどうつないでいけるかが大事」とにらむ。中でも強豪との一戦で鍵を握りそうなのは、変則の左横手の高波だ。

 「僕には直球がない」というほどのくせ球とフォークボールは、強力打線こそ狂わせていける可能性を秘める。「強いチームには自分が先発だと思う。焦らせて、はめたい」。本命ではないと分かっている。ただ番狂わせを起こすためのネタは、仕込んである。

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