高校野球の県春季大会(県高野連主催、神奈川新聞社など後援)第12日は30日、サーティーフォー保土ケ谷球場で準決勝を行い、横浜が10-0の七回コールドで星槎国際湘南に快勝した。
横浜はエース左腕板川佳矢(2年)が7回無失点で完投。打線は一回に増田珠(3年)の中前打などで3点を先制、四回にも市村拓巳(3年)の2点適時打などで4得点して突き放した。
巧者横浜が好投手を完全攻略 攻守で隙見せず
1万人が詰めかけた満員の保土ケ谷球場で、星槎国際湘南のプロ注目右腕・本田に初回から襲いかかった。山崎の右前打を口火に齊藤、増田の3連打であっという間に1点を先制。さらに2死から長南、板川の連打で2点を加えた。
「直球を振るかスライダーを振るか、自分で決断してやりなさい」。コンパクトなセンター返しだけを統一し、狙い球を選手に任せたのは自主性を重んじる平田徹監督(33)らしかった。
「藤平さん(楽天)の球は速くて小さく見えるくらいえげつなかった。あの球を見ていたので、びびることはなかった」とは初回に直球を狙い澄まして中前にはじき返し、公式戦21試合連続安打とした4番増田。三回にはスライダーを左前に運び、「すごい投手が来ても、横浜高校は負けない印象を与えたかった」と誇らしげだ。
スラッガー長南も、いつもよりバットを指2本分短く持ち、逆方向を意識して2安打2打点。快投続きで注目を集めてきた右腕に対し、「配球が読みやすかった」という完全攻略だった。
昨秋の対戦では8-0の七回に苦い6点を奪われていたが、この日は何点取っても攻守に隙を見せない。犠打や走塁、4併殺の守りで流れを一切渡さなかった。
2年生中心の若いナインが試合巧者ぶりを体現し、「経験値を重ねながらチームができてきた。手応えをつかんだ試合だった」と平田監督。これで就任後、5季連続での県大会決勝進出となった。
選手ひと言
○横浜・福永主将 板川の調子がよくなかったところを打線でカバーできたのは大きい。秋は関東(大会)で負けて悔しい思いをしたので、神奈川を制し、関東も優勝して、勢いに乗って夏を迎えたい。
○横浜・万波 打って出塁するということができなかったので、結果としてはいい試合ではなかった。自分が打って攻略したかったが、なかなかうまくいかなかった。
○横浜・板川(7回を6安打無失点) 秋季大会とは違うところを見せたかったので、無失点にこだわっていた。関東大会が決まる第一歩なので勝ててよかった。