最上級生に火がついた横浜は、とてつもなく強かった。
三回2死満塁。先発した背番号10の塩原が攻撃で見せる。「みんながつないでくれたチャンスをつぶすまい」。左中間へ走者一掃の二塁打を放って5-0と突き放した。
こうなったら止まらない。五回に6番市村、7番福永の連続長打などで4得点すると、六回には市村の二塁打を皮切りに6連打。最後はここまで無安打だった4番増田の場外弾などで一挙7得点し、3年生の力で六回コールド勝ちまで押し切った。
万波、齊藤、長南ら昨春の入学早々ベンチ入りした2年生が中心のチームで、この日打席に立った12人中、3年生はわずか4人だ。それでも「秋に比べて、だいぶ3年がチームをまとめられるようになった」と市村は言う。
昨秋は乱調でメンバーから外されかかったところから復活してきた右腕塩原は5回1失点と投打に躍動し、増田、市村、福永を合わせた3年生が計10打点。平田徹監督(33)も「やっぱり3年生が引っ張ってくれないと夏は勝てない。頼もしさを感じますね」と4人衆を褒めたたえる。
関東大会を懸けた準決勝では、プロ注目の星槎国際湘南・本田を迎え撃つ。「1点を争う戦いになるが、自分たちから崩れなければ勝てる」と主将福永。昨秋は準々決勝で敗れた関東大会への切符を懸けた一戦も、先輩たちがリードする。