高校軟式野球の第58回全国選手権南関東大会は6日、埼玉県上尾市の上尾市民球場で開幕し、1回戦2試合を行った。神奈川代表の横浜修悠館は伊奈学園総合(埼玉B)に4-1で快勝し、決勝に駒を進めた。もう1試合は花咲徳栄(埼玉A)が拓大紅陵(千葉)を7-6で下した。
横浜修悠館-花咲徳栄の決勝は7日午前10時から同球場で行われる。優勝校は25日から5日間、兵庫県明石市などで開催される全国大会に出場する。
◇石井 直訴で1番
両チーム無得点の三回1死一、二塁。横浜修悠館の石井は甘く入った初球を迷わず強振し、右越えの三塁打で走者を一掃した。「打った瞬間、抜けたと思った」という3年生の一打に、主将の茂木は「みんな緊張していたが、石井のおかげで自分たちのペースにもっていけた」と感謝した。
初出場の南関東大会。動きの硬いチームメートを横目に、石井はリラックスしていた。もともと「生真面目なやつではない」(茂木)という性格に加えて、望み通りのリードオフマンに起用されたことがその理由だ。
石井は「とにかく打ちたい。いっぱい(打席が)回ってくる1番がいい」という考えの持ち主。だが県大会は「緊張する」(石井)という主軸で起用され「チャンスで力んで打ち上げたり、三振したりしていた」と丸山王明監督(46)は言う。
「1番にしてもらえませんか」。大会2日前に指揮官に直訴し、前日の練習中にも「やっぱり1番がいいなあ」と聞こえよがしにつぶやいていた。必死のアピールが実り、放った三塁打は「(ヒットを)打てなくても一、二塁間に転がして走者を進めればいい」と気楽に構えて飛び出した。
輝きを取り戻した背番号9。決勝の大一番に向けて「自分の仕事をすれば勝てる」と意気込んだ。【】