高校野球の甲子園大会に夏春計10度導いた桐蔭学園高野球部の土屋恵三郎監督(59)がこの夏限りで退任することが27日、分かった。今後は小学部から大学まで、学園の野球部を束ねる総監督を務める。高校野球部の監督には、同学園中学校野球部の大川和正監督(51)が就任する。
同高出身の土屋監督は1982年に就任。高橋由伸外野手(巨人)や平野恵一内野手(オリックス)など多くのプロ選手を育てた。2007年秋に一度退任し、08年に日本高野連の育成功労賞を受賞。09年から再び指揮を執り、昨夏の神奈川大会で準優勝、今春は県大会を14年ぶりに制して関東大会に出場した。
同学園の平岩敬一理事長は「(2014年に)学園の創立50周年の節目を迎えるに当たり、人心一新を図る。選手の生活面にも気を配り、優勝争いに絡むチームを維持し続けた手腕を高く評価している」と長年の功績に感謝した。
土屋監督は「後を任せる人材はたくさんいるのでここで一区切りと考えた。集大成の夏は再び頂点を奪い、いい形でバトンタッチしたい。今後は幅広い世代に野球の楽しさや良さを伝えたい」と語った。
大川監督は同高から早大に進み、岩倉高(東京)を経て1987年に桐蔭学園中監督に就任。全日本少年軟式野球大会で優勝2度、準優勝1度の実績を誇る。「土屋監督が地道につくってきた野球を受け継ぎ、日本一を目指したい」と話した。【】