地元神奈川で開催されている春季関東高校野球大会は27日に準決勝を迎える。県勢3校は姿を消したが、23年ぶりに出場した相洋(神奈川2位)の健闘ぶりが目を引いた。準々決勝で今春の選抜大会ベスト8の専大松戸(千葉1位)に惜敗したとはいえ、史上初の8強に進出。就任12年目の高橋伸明監督(38)は「素直にすごく良い経験ができた」と充実そうに振り返った。
望外の快進撃だった。県大会では準々決勝で昨夏、秋優勝の横浜を延長タイブレークの末に破った。勢いそのままに準決勝でも打力が持ち味の東海大相模を抑え込み、27年ぶりの準優勝。しかし、選手たちの表情には悔しさが満ちていた。投打に力の差を見せられ、慶応に0─11で大敗した決勝のショックが大きかったという。
高橋監督は横浜スタジアムからグラウンドに戻ってすぐに選手を集め、二つの神奈川新聞の紙面を示した。昨秋の県大会準々決勝・日大藤沢戦の敗戦記事と、今春の県大会準々決勝の展望記事だ。昨秋の紙面には「守備乱れ『完敗』」の見出し。今春の記事には相洋の写真は掲載されていなかった。
指揮官がナインに諭した。「ある意味で注目されていないところからここまで来た。この成長の実感なくして先に進めない」。自信を自覚させるための秘策は選手たちにとって即効性のある大きな刺激となった。
監督が明かす、躍進の理由
相洋、初の8強進出と健闘 高橋監督「良い経験ができた」
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専大松戸戦の試合前ノックで、選手を鼓舞する相洋の高橋監督(左)=22日、サーティーフォー保土ケ谷 [写真番号:1161106]
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専大松戸戦で采配を振るう相洋の高橋監督(中央)=22日、サーティーフォー保土ケ谷(立石 祐志写す) [写真番号:1161107]