
「日本の高校野球を変える」。壮大な目標には、それだけの覚悟が伴う。
18日に開幕する第95回選抜高校野球大会。5年ぶり10度目の出場となる慶応は、大会第4日の第3試合で仙台育英(宮城)と対戦する。就任9年目の森林貴彦監督(49)は「苦しい高校野球ではなく、良い意味でプレーを楽しみたい」。見せるのは進化したエンジョイ・ベースボールだ。
元々は接戦に勝機を見いだそうと描いて始まった新チーム。主将の大村昊澄を中心に「つながりと勝負強さ」を磨き上げ、昨秋は圧倒的な打力でセンバツ出場を勝ち取った。
ナインの根底にあるのは挑戦者の精神。昨秋の公式戦ベンチ内では「チャレンジ」の声が飛び交い、勝利の喜びと共に成長してきた。
下山悠介(東芝)や生井惇己(日立製作所)を擁して出場した前回の2018年春は2回戦で彦根東(滋賀)に惜敗。当時の試合映像をチームで観戦し、「自信がないと雰囲気にのまれる」と清原。イメージはもうできている。
「KEIO 日本一」。その挑戦権を手にする選手たちの表情にはおごりもなければ、おびえもない。主将大村は「実力は自分たちより高いチームがほとんど。ただ、野球を楽しむ、好きな気持ちはどこにも負けない」。歩むべき道は見えている。
圧倒的な打撃力、キーマンは?
慶応、目指すは日本一 進化したエンジョイ・ベースボール
昨秋の関東大会準々決勝に勝ち喜ぶ慶応ナイン=昨年10月、県営大宮公園野球場 [写真番号:1146797]
慶応の強力打線をけん引する(左から)福井、渡辺憩、加藤 [写真番号:1146798]
慶応のエースナンバーを背負う松井 [写真番号:1146799]