「優勝した仙台育英に、横浜の県立瀬谷高出身のコーチがいるんです」─。夏の甲子園で仙台育英高(宮城)が東北勢初優勝を飾った翌日、瀬谷高OBの団体職員男性(56)=横浜市南区=から「追う! マイ・カナガワ」取材班に、喜びの声が寄せられた。104回の歴史を数える全国選手権大会で初めて深紅の優勝旗が「白河の関越え」を果たした感動を、元神奈川球児が支えていたとは─。杜(もり)の都で日本一のナインに寄り添ってきた杜秀介コーチ(24)に、「すごく密な青春」について聞いてみた。

8月22日の決勝。仙台育英高は下関国際高(山口)を8─1で下し、東北勢初の全国制覇を成し遂げた。甲子園のアルプススタンドで控え部員の引率をしていた杜さんは約1カ月間、レギュラーたちとは別行動だった。「うまくいかないことの方が多かった。選手たちがグラウンドでもがき苦しむ姿を見ていたので、全てが報われた瞬間だった」とナインをねぎらった。
親のような立場で
甲子園優勝旗「白河の関越え」 身近で支えた元神奈川球児
瀬谷高時代は通算20本塁打以上を放つスラッガーだった杜さん=2016年の神奈川大会3回戦から [写真番号:1112955]
コーチとして仙台育英高ナインを支えた杜さん(本人提供) [写真番号:1112956]
第104回全国高校野球選手権大会の決勝で下関国際を破って初優勝を果たし、喜ぶ仙台育英ナイン=8月22日、甲子園球場 [写真番号:1112957]