プロ野球・横浜ベイスターズを保有するTBSホールディングス(HD)が球団売却を検討している問題で、携帯電話向けソーシャルゲームサイト「Mobage(モバゲー)」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)が19日、TBSHDと買収交渉を行っていることを明らかにした。複数のTBS関係者によると、交渉は大筋でまとまっているが、野球協約が定めるオーナー会議での承認を得られる見通しが立っておらず、本格合意には至っていない。交渉相手はDeNA1社に絞られており、合意できなければ来季もTBSHDが球団を保有することになる。
関係者によると、急成長しているDeNAについて、半数近くの球団から「長期間継続して球団を運営できるのか」などの声が上がっているという。TBSHDは、オーナー会議では全会一致の承認で売却を決めたい意向とみられ説明を続けているが、賛同が得られるか微妙だ。
昨秋、住宅設備大手の住生活グループとの売却交渉が土壇場で破談となったTBSHDは、その後も複数の企業と売却交渉を進めていたが、最終的にDeNAのみとなり、DeNAが買収金額で歩み寄る姿勢を見せたという。この日、DeNAは「交渉中であることは事実」とのコメントを発表。TBSHDは「現時点では開示する事実はない」としている。野球協約は、球団を譲渡するには新球団が参加する前年の11月30日までに12球団による実行委員会とオーナー会議での承認が必要と定めており、オーナー会議での承認は4分の3以上の賛同を得なければならない。
DeNAは1999年設立のIT(情報技術)系企業。本社は東京都渋谷区で、2010年度の売上高(連結)は1127億円。営業利益は560億円。「モバゲー」を主力事業として、ともに前年度比2倍以上の急成長を遂げている。
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