横浜DeNAの春季キャンプ最終クール第3日は24日、沖縄・宜野湾市立野球場で挟殺プレーの確認やベースランニングなどをこなし、全体練習を打ち上げた。25日は巨人との初のオープン戦に臨み、最終日の26日は日本ハムと練習試合を行って帰浜する。
この日は練習の最後に円陣を組み、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の強化合宿に参加している筒香の代理で主将を務める梶谷があいさつ。「昨年はクライマックス・シリーズに出たが、いいところで悔しい思いをしました。ことしは一丸となって優勝に本気で向かいましょう」と誓い、手締めをした。
ラミレス監督は「非常にいいキャンプを過ごせた。出来は80点。バントやサインプレーなど足りない部分は今後詰めていきたい」と総括。MVP(最優秀選手)には4年目の嶺井を選んだ。
結果で正捕手奪取を
秋季キャンプに続き、4年目の嶺井がMVPの栄誉を授かった。実戦6試合で14打数7安打6打点。打席での好調ぶりが評価された25歳は「去年よりも体が動いている」と手応えを得ている。
昨季は巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦に途中出場し、延長十一回に決勝打をマーク。オフに初参加した台湾でのウインターリーグでも34打数11安打と結果を残し、好感触をキャンプでも維持してきた。
ただ、本人にそれほど満足感はない。「うれしいですよ、うれしいですけど…。これで開幕戦に出させてもらえるわけではないので」
確かにラミレス監督に捕手のレギュラー第1候補とは見られていない。「代打でも使えるし、重宝する」。故障で離脱していても評価は昨季正捕手の戸柱が上である。
ならばと嶺井が目指すのは打てて守れるキャッチャーだ。今キャンプもほぼ毎日、居残りの特守をこなした後、室内練習場に向かい「練習の虫」で知られる倉本とともに日が傾くまでバットを振り続けてきた。
25日のオープン戦初戦は同じく沖縄出身の平良とのバッテリーで巨人打線に挑む。「やるからには勝つ。打たれたら捕手のせい。バットでも勝利に貢献したい」。結果を出し続けるだけだ。
平良「成長見せたい」
25日の今季初のオープン戦には、巨人にFA移籍した山口の人的補償で加入した平良が先発する。古巣相手に5回を投げる予定の右腕は「知っている人がたくさんいる。成長したところを見せたい」と誓った。
今キャンプは実戦2試合で計7回1失点と好投が続いている。この日はノースロー調整で備えた21歳は「内角は抑えるために絶対に必要。しっかり攻めます。目指しているのは先発ローテーション入り。ここで結果を残したい」と息巻いた。
石田、OP戦へ手応え
開幕投手に指名されている石田は全体練習最後のブルペンで56球を投げた。「状態はいい。1クールずつ調子を上げられた。いい形でオープン戦に入れる」と手応えを口にした。
調整不足から実戦での初登板を1週間ずらし、20日の韓国プロ野球KIA戦では2回2失点。次回はキャンプ最終日の26日の日本ハム戦に登板予定だが、この日のブルペンでは力強い直球が低めに集まってきている。3年目のサウスポー今キャンプのMVPに選ばれた横浜DeNA・嶺井=沖縄・宜野湾市立野球場は「オープン戦も結果より内容を求めたい。1日ずつ課題を克服して状態をもっと上げていく」と今後を見据えていた。