横浜DeNAの春季キャンプ第4クール第3日は19日、沖縄・浦添市民球場でヤクルトと練習試合を行った。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の筒香が今キャンプの対外試合初安打を含む2安打2打点をマークし、3月7日に初戦を迎える同大会に向けて好調ぶりをアピールした。
また、新外国人シリアコがソロ本塁打を放ったほか、投手陣は平良が4回1失点、須田が1回をパーフェクトに抑えた。試合は4-3で競り勝った。ラミレス監督は「平良はボールにスピードがあり、いい投球だった。また登板させたい」と手応えを口にした。
20日は韓国プロ野球KIAと練習試合を行い、今季の開幕投手に指名されている石田が今キャンプの実戦に初登板し、2イニングを投げる。
変化いとわず進化
日本が誇る主砲には歩むべき道が見えている。今キャンプの練習試合7打席目。前の試合で3打席連続三振を喫した筒香が目を覚ました。
相対したのは横浜高の6学年先輩、サウスポー成瀬。初回、2死二塁から内角のスライダーを芯で捉えると、痛烈なライナーは右翼線への適時二塁打に。8打席目の三回2死三塁では、甘く入った初球を鮮やかに中前へ。追加点を生み出し、スタンドからは安堵(あんど)のようなため息と拍手が湧いた。
昨季の本塁打、打点のリーグ2冠王は「何かを変えなければ進化できない」と安住しない。だからこそこの期間の実戦は「体の中(の力の向き)がまとまるかどうか。自分の中の感覚で判断する」。オフに新調したバットは昨季に比べて細くし、重心を手元に近づけることで飛距離よりもミート力を優先した。練習で使うバットも重さや形状の異なる3本を使い分け、体の軸を意識しながらスイングする感覚を養っている。
17日のヤクルトとの練習試合では3打席連続で空振り三振を喫したが、18日のフリー打撃で自らコンパクトに振り込んで修正した。この日の鋭い打球にラミレス監督は「人に言われなくても直せる選手。全く心配はしていないよ」と手放しでたたえる。
WBC日本代表合宿(23~25日・宮崎)参加のため20日の韓国プロ野球KIA戦が最後の練習試合。「体の状態にはまだ満足できないです」。理想を追い求める背番号25の歩みは止まらない。
シリアコ、満足の笑み
新外国人シリアコが対外試合初のアーチをかけ、「チームに貢献できて満足」と笑みをこぼした。
四回の先頭、甘く入ったスライダーを見逃さない。打球はライナーで左翼フェンスを越えた。従前より3センチほど短い筒香のバットを試してみたことが奏功し、ラミレス監督からは「これからも筒香のバットを使うべきだ」と勧められた。
191センチ、102キロの巨漢ながら三塁守備をそつなくこなし、機敏な走塁も見せている。激しさを増す外国人争い枠にも「意識せず自分にできる100パーセントを出せるようにしたい」と話した。
意欲のぞかせる須田
昨季チーム最多の62試合に登板した須田が今キャンプで実戦初登板。1イニングをパーフェクトに抑え、「思っていた以上に球速を出せた。打者と対戦する感覚も少し取り戻せた」と満足げだった。
先頭のバレンティンを141キロの直球で遊ゴロに仕留めると、力のあるボールを低めに集めて後続を遊ゴロ、捕邪飛に料理した。
今後はブルペンで調整を進め、そのままオープン戦に臨む。30歳は「この先はブルペンの負荷を高めて仕上げる。1日30球くらいで毎日入りたい」と意欲をのぞかせた。
足もバットも上向き
梶谷が今キャンプの対外試合で初安打。盗塁もマークし、状態を上げている。
一回2死無走者から中前に運んで出塁すると、次打者筒香の4球目で二盗に成功。「練習試合で盗塁するのは今日だけ。この時期は感覚を確かめるだけで十分」と頼もしかった。
打撃面での進化を目指し、「オフに続いてキャンプも例年以上にバットを振っている」。背番号3は「打撃も結果以上に内容が良くなっている」と手応えをにじませた。