横浜DeNA
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ヤクルト
【フルマーク】1球が勝負の分水嶺
ベテラン右腕の1球が勝負の分水嶺(れい)となった。
久保康は1-1の六回2死無走者から西田に左前打を許し、打席に投手の小川を迎えた。簡単に2球で追い込み、2ボールを挟んだ後の5球目だった。
外角を狙った直球が真ん中へ。快音とともに風にも乗った白球は左翼席に吸い込まれた。相手エースにプロ通算2本目のアーチを描かれた36歳は「四球を出したくないという気持ちが強かった。投手にあれだけ持っていかれたらアウトやろ」と自嘲気味に振り返った。
責任の一端は攻守にもり立てられなかった野手にもある。打線は3安打1得点に終わり、久保康が決勝弾を浴びた直後には宮崎の失策から致命的な4点目を献上した。頼みの筒香に得点圏での打席は一度も回らなかった。
このヤクルト、中日との5連戦を「最低でも3勝する」と息巻いていたラミレス監督。指揮官と同様にナインもまた巨人、広島に2勝4敗と負け越した週が明けての一戦の重みを理解していた。それだけに、思わぬ大敗を喫して足取りは重い。
8月は5勝8敗と黒星が先行。上位との差が広がる一方で、下位チームが迫る。ここ数年、味わってこなかった一発勝負のトーナメントのような緊張感あふれるゲームが続く。連敗ストップは指揮官からずっとエースとして期待されている山口に託された。
◆ラミちゃん☆ゲッツ
「小川を攻略できず悔しい限りだ。ベストな試合をされてしまった。ブロードウェイはまだ1試合しか見ていない。違う状況でどういう投球ができるかを見たい」
◆制球に苦しむ 新戦力
新戦力のブロードウェイが来日初登板のマウンドで、2本塁打を浴びるなど3安打5失点と炎上した。
1-4の七回から2番手で登板すると、先頭のバレンティンに初球の高め150キロを左翼席に運ばれる。さらに次打者の安打に、送りバントを処理した自らの一塁悪送球が絡むなどして2失点。最後は上田に逆方向の左翼席に2ランを浴びた。
被弾したのはいずれも自慢のストレート。2軍の7試合の防御率は6・75と時間が必要なようだが、右腕は「状態は悪くなかったが制球が良くなかった。切り替えるしかない」と頭を下げた。
◆選手ひと言
戸柱(五回に一時同点となる右前適時打を放ち) 必死に食らいついた。久保康さんが試合をつくってくれていたし、バッテリーを組んでいる自分のバットでチャンスをものにしたかった。
万永内野守備走塁コーチ(1-3の六回に宮崎の悪送球から失点) ミスした方が負けるのが野球。秋季キャンプから言い続けてきたことをやり続けてもらうしかない。