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番長とベイ前球団社長対談 「恩返しを」「横浜の力に」

ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2017年1月29日(日) 02:00

対談する三浦大輔氏(左)と池田純前横浜DeNA社長=横浜市中区の神奈川新聞社
対談する三浦大輔氏(左)と池田純前横浜DeNA社長=横浜市中区の神奈川新聞社

 働く場所は違えどチームのために、ともに尽力してきたエースと球団トップが昨シーズン限りで第一線を離れた。25年間の現役生活に終止符を打った元横浜DeNAの三浦大輔氏(43)と、5年間で球団経営を大きく改善させた前横浜DeNA社長の池田純氏(41)。これまでの歩みを振り返りながら新たな人生に向けて、2人が語り合った。

 -最初の互いの印象は。

 三浦氏 年下の社長の就任は考えられなかった。優勝するために補強やスタッフも含めたチーム全体のことを考えて何とか球団を変えてくださいと訴えました。

 池田氏 話を聞きながらチームをずっと引っ張ってくれていたんだと思いました。大きな存在でした。

 -球団創設から5年間でチームも、球団経営も大きく前進した。

 三浦氏 池田社長になって、とにかく物事が決まって進んでいくスピードが速くなった。この5年間でこれだけ変われたのかと思う。どんどんいい方向に進んだ。

 -それでも、社長を退任することを決断した。

 池田氏 僕の役割は球団がこれからも横浜に残るために、その土台をつくることだと思っていた。だからこそ、球団と球場の一体経営を成し遂げないといけないし、それを目標に定めていた。

 -社長の契約延長の可能性もあったのか。

 池田氏 (親会社の)ディー・エヌ・エー(DeNA)とお互いに話し合って更新しないことを決めた。社長就任時とは違い、今では自分たちで課題を解決できる組織にもなった。これからの5年間は違うフェーズに入ってくる。

 -三浦氏も現役生活に別れを告げた。

 三浦氏 ここ数年、引退は近いと感じていた。この世界は1軍でプレーできなかったら辞めないといけないから。(昨年)7月の(初登板となった)中日戦で初黒星を喫しても辞めるという選択肢はなかったが、8月も出番がなかった。今シーズンもわがままを言えば、やらせてもらえたと思う。でも、それじゃいけなかった。三浦大輔として、勝てないのにユニホームを着続けることはできなかった。

「後輩に期待」「知見広げる」




 -重責を担ってきた2人がチームを去る。

 三浦氏 心配はありますけど楽しみの方が大きい。クライマックスシリーズ(CS)進出を果たし、東京ドームで戦った雰囲気は優勝した1998年にも似ていた。ベンチも、スタンドも、裏方さんも一球一球に集中していた。広島で悔しさも味わって、大きな経験もした。この経験をどうつなげていくのか、後輩たちの成長に期待したい。

 -ともに新たなステージへ向かう。

 池田氏 自分の情熱を注げるための大義がある仕事にはまだ出合っていない。Jリーグの特任理事や、さだまさしさんのスーパーバイザーを務めるのは、本を読んだりすることよりも、直接人に会って知見を広げたいから。充電していたら、次にささげる仕事に出合える。

 三浦氏 一度ユニホームを脱いで、違うジャンルの世界を勉強したい。誤解してもらいたくないのは現役を引退しただけで、野球界のために働くことは変わらない。そのために大きくなりたいと思っている。

 三浦氏 指導者として戻りたい夢がある。どうやったら選手たちに話が伝わるのか、30年前と比べて小中高の指導方法がどう変わっているのか。大リーグも含めて、今の野球の現場を学んでみたい。

 -横浜とはこれからどう関わっていくのか。

 池田氏 どこかでしっかり恩返しがしたい。球場にお客さんがたくさん来てくれて、球団も成長できた。CSでは東京ドームを青く埋め尽くしてくれた。そういったファンに恩返しがしたい。

 池田氏 ファンにとって、横浜に番長がいることはすごく幸せで、楽しみなこと。また横浜を幸せにしてくれる存在。横浜に帰ってきてほしい。

 三浦氏 タイミングもあると思いますけど、いずれは戻ってきたいし、また横浜の力になりたい。タレントになるつもりは一切ありません。野球人として、自分の可能性を広げていきたい。

 -最後に読者へのメッセージを。

 池田氏 陰ながら、ファンの皆さんと応援していきたい。

 三浦氏 いずれチームに戻れるように三浦大輔を磨いておきます。


 ◆池田氏が昨年12月、著書の「しがみつかない理由」(ポプラ社)を出版した。球団社長を退任した理由や、これまで異業種を短期間で渡り歩いてきた経営者としての信念やノウハウ、生き方をまとめている。




 みうら・だいすけ 奈良・高田商高から1992年にドラフト6位で横浜大洋(現横浜DeNA)入り。98年に12勝を挙げ、日本一に貢献。2015年は元中日の山本昌、西武などで活躍した工藤公康(ソフトバンク監督)の両投手と並ぶ歴代1位の23年連続勝利を記録。昨季限りで現役を引退した。プロ25年の通算成績は535試合で172勝184敗、防御率3.60。43歳。奈良県出身。



 いけだ・じゅん 鎌倉高から進んだ早大商学部を卒業後、住友商事や広告代理店などを経て2007年にディー・エヌ・エー(DeNA)に入社。球界に参入した11年12月、35歳の球界最年少の若さで横浜DeNAの初代球団社長に就任。16年には本拠地の横浜スタジアムの運営会社を子会社化するなど改革を進めた。16年10月に任期満了に伴い退任。横浜市出身。41歳。

 
 

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