【カナロコスポーツ=佐藤 将人】横浜DeNAが救援候補として獲得したスペンサー・パットン投手(28)=185センチ、91キロ、右投げ右打ち=が23日、来日した。昨季世界王者となった米大リーグ・カブスで16試合に登板した右腕は、「前から日本に興味があった」と移籍を決めた背景を語った。
落ち着いた明るさ、といった印象だ。特徴的なひげについて「験担ぎか」と聞くと、「ただ好きで伸ばしているだけ。ロイヤルズではだめだと言われて剃(そ)ったけど、日本ではチームが許してくれればこのままいきたい」と軽やかに答えた。
主戦場は救援となる。「あまりマウンドに長く立っているのが好きじゃないんだ」。直球とスライダーを軸に、ストライク先行で勝負していく。マイナーでは高い奪三振率も残しているが、「三振は結果論だと思っている」。あくまでテンポ良く試合をつなぐのが身上だ。
昨季は世界王者となったカブスで16試合に登板。成績は1勝1敗、防御率5・48といまひとつだが、3Aでは昨季35試合で1勝0敗、11セーブ、防御率0・75と完璧な数字を残している。
自ら「アップダウンを繰り返していた」と語る通り、メジャーとマイナーのちょうど境界線にいる選手だった。「新しい野球を学んで、チャンスがあればまた戻ってメジャーで投げたい」。異国への移籍を転機とするつもりだ。
カブス時代は川崎宗則と仲が良く、一緒にすしを食べに行っていたという。「とにかくまずは何でもトライしてみる」と好奇心旺盛で、妻と2人の息子も来日をとても楽しみにしているという。
球団は守護神の山崎と競わせ、救援陣の総力アップを図るつもりだ。「リリーフを期待していると聞いているが、チームが勝つためなら何でもやる」と、野心ものぞかせる。「川崎やマートン(元阪神)から日本は応援がすごくて、エキサイティングなリーグだと聞いている。例年通りの調整をしてきた。キャンプに入る準備はできている」と意欲を見せた。