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横浜DeNAベイスターズ プロ野球開幕特集
役者そろい大願成就へ あす25日 開幕

ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2016年3月24日(木) 13:14

プロ野球開幕特集 トップ写真
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 生まれ変わったチームの姿を見せるシーズンがいよいよやってくる。プロ野球のセ、パ両リーグは25日に開幕。昨季最下位に沈んだ横浜DeNAベイスターズは10年連続のBクラス(4位以下)から脱却を図る。

 球団OBで外国人選手として初の通算2千安打を達成したラミレス新監督が攻守で改革に着手。吹き込まれた新たな風は上昇気流となり、球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出まで浮かび上がらせるか。

 開幕ゲームは敵地マツダスタジアムでの広島戦。ベイスターズナインが進撃の号砲を打ち鳴らす。



 変わったのは指揮官だけではない。

 「新生」を象徴するようにセンターラインのポジションには2人の即戦力ルーキーが割って入った。ドラフト3位の柴田(国学院大)は二塁手での開幕スタメンが濃厚で、同4位の戸柱(NTT西日本)も正捕手の座を射止めた。

 先発投手も激しい競争を勝ち抜き、たくましさを増している。開幕投手は右足首痛の山口の回避により井納が務める。代役とはいえオープン戦で結果を残す右腕への指揮官の信頼は厚い。

 一昨年に井納とともに2桁勝利を挙げたベテラン久保康は健在で、モスコーソも昨季の巻き返しに躍起だ。ドラフト1位の新人今永(駒大)、2年目石田の台頭により、長年の懸案だった先発サウスポー不足の解消にもめどがついた。

 さらには現役最年長の三浦、3年目左腕砂田らが腕をぶす。豪腕山口もそう遠くない時期に戻ってきてくれるはずだ。

 打線は今季も4番の筒香が強打者として着実にステップし、脇を固めるロペスはオープン戦打率3割6分4厘と好調。負傷離脱の梶谷が2番に入れば、左右の好打者を互い違いに並べられる。

 「ここにいる選手たちを信頼している」。指揮官はそう期待を込める。CS進出へ、そして1998年以来のリーグ制覇へ、今度こそ願いだけには終わらせない。

最強の外国人指揮官 ラミレス新監督


ラミレス新監督
ラミレス新監督

◆変革 V争いするチームに
 現役時代に史上最強助っ人と呼ばれ、所属チームを2度の日本一に導いたアレックス・ラミレス新監督(41)。外国人選手初の通算2千安打を成し遂げ、4度の打点王、2度の本塁打王に輝くなど数々の栄光を築いてきた強打者は、過去10年で7度の最下位と低迷するチームを勝つ集団に生まれ変わらせるため現場トップの職に就いた。

 前例踏襲では何も変えることはできない。ラミレス流は昨秋の鹿児島・奄美市でのキャンプから見えてきた。「配球の7割はインコース。投げられない投手は使わない」

 狙って投げられる制球力、いや臆せずに投げ込む勇気、闘争心が何より足りない。バッテリーには徹底した内角攻めを要求。昨季も含めてここ10シーズンでチーム防御率は8度もリーグワーストに沈む。その投手陣に変革の意識を呼び覚ました。

 年が明けて沖縄・宜野湾市での春季キャンプ。今度は紅白戦でベンチから自ら捕手にサインを送った。「キャッチャーはチーム、野球にとって最も重要なポジションだと思っている」。そんな信念は日本で培われた。

 自身も経験がある米大リーグとは違い、捕手のインサイドワークが重んじられる日本。2001年に海を渡ってきた元メジャーリーガーは対戦相手の控え捕手まで調べ上げ、配球のパターンを読んで好打につなげた。その確かな知見があるからこそ扇の要の育成に注力してきた。

 前監督に劣らず、大胆な起用も見逃せない。

 29日の本拠地横浜スタジアムでの開幕戦となる巨人戦にはドラフト1位の左腕今永(駒大)を先発させる。「将来エースとなる投手を起用したかった」。カード初戦という険しい道にあえてルーキーを送った。

 改革の旗印として指名するのは、同じくドラフト4位の新人戸柱(NTT西日本)だ。日ごとに成長していく姿に心を動かされたという。「二塁へのスローイング、球を止めるブロッキング、野球のIQも高かった。自分たちが見つけたかったキャッチャーがいた」。25歳にスタメンマスクを託すつもりだ。

 新監督が繰り返した言葉が思い出される。「このチームは何かを変えなければ、いつまでも変わらない」

 現役時代の明るい人柄は変わらない。そして、強い信念を持ち続けている。日本で監督になるという長年の夢をかなえた背番号80は強く信じる。「確かにこのチームはずっとBクラスにいる。ただ、チームの能力からすれば、それ以上のものがある。Aクラスではなく常に優勝争いができるチームにする」

略歴 アレックス・ラミレス氏 米大リーグ、インディアンスなどを経て01年にヤクルト入り。03年に本塁打王と打点王に輝く。07年は204安打をマーク。巨人に移籍した08年から2年連続でセ・リーグ最優秀選手(MVP)に選出され、10年には本塁打と打点で2度目の2冠獲得となった。横浜DeNA2年目の13年に外国人選手として初めて通算2千安打を達成した。独立リーグでプレーした14年を最後に現役引退。15年はオリックスの巡回アドバイザーを務めた。プロ野球通算1744試合で2017安打、打率3割1厘、380本塁打、1272打点。41歳、ベネズエラ出身。

頂点へ導く投打の精鋭


さらなる飛躍を期す2年目の山崎康
さらなる飛躍を期す2年目の山崎康

◆守護神・山崎康晃 大声援を力に変え
 37セーブを挙げたルーキーイヤーの活躍はもう過去のこと。「40セーブ以上、優勝に貢献したい」。昨季の新人王、守護神山崎康が2年目のジンクスに挑む。

 目標を高く置き、成長しようとしてきた。春季キャンプでは直球と鋭く落ちるツーシームの精度に加え、打者目線を変えるカーブの習得に乗り出した。「より相手に研究されるだろうし、同じ事をやっていたらダメ」

 昨季は58試合に登板。蓄積した疲労を抜くことと並行し、1年間を通して活躍できる体力づくりに励んだ。シーズン終盤に休養を命じられた昨季の二の舞いはごめんだ。

 本拠地の「ヤスアキ」コールと球場を揺らすジャンプが23歳の闘志を燃え上がらせる。「声援がないとアドレナリンが出ないんで」。屈託のない笑顔で、ファンにさらなる後押しを呼び掛けた。


1年目から躍進が期待される新人今永
1年目から躍進が期待される新人今永

◆ルーキー・今永昇太 投げる試合は勝つ
 派手な演出で盛り上がる29日の本拠地開幕戦の先発マウンドを託された。ドラフト1位の今永(駒大)は「プロである以上、自分が投げる試合は負けてはいけない」と頼もしい。新人には荷が重いといった周囲の不安も吹き飛ばす。

 ここまでの調整は完璧だ。練習試合を含めた実戦6試合で22回を3失点(降雨中止も含む)。内外角にきっちり投げ分ける制球力、カーブやスライダーでカウントも取れる。「悪いときこそどう抑えるか。リラックスして投げたい」。大崩れする要素は見当たらない。

 昨季は抑えとしてフル回転した山崎康が新人王に輝いた。球団史上初となる2年連続の栄誉を手にすることができるか。22歳は青写真を描いている。「ラミレス監督の期待を裏切らないようにすれば、付いてくるものがたくさんある」


今季も4番に座る筒香
今季も4番に座る筒香

◆主砲・筒香嘉智 強い気持ちで倒す
 「こいつにつなげたら何とかなるという選手になりたい」。24歳のスラッガーの掲げる理想は果てしなく大きい。7年目の筒香は勝利の先にある優勝に導く一打をひたむきに追い求めている。

 春季キャンプ。全体練習前の室内練習場で黙々とバットを振った。ほとんど誰もいない中で、自分の肉体と向き合った。

 「毎日、体は同じ状況ではない。日々の変化にどう対応していくか」。昨年12月に参戦したドミニカ共和国のウィンターリーグで、つかんだ打撃感覚をさらに磨いた。

 主将として2年目を迎える今季は、「全143試合出場で最低でも100打点」を目標とした。「全員が同じ方向を向いて、強い気持ちで相手を倒しにいく」。昨季記録した打撃3部門での自己最高成績も、さらに偉大な打者へとなる通過点にほかならない。


横浜DeNAベイスターズの新監督に就任し、ポーズを取るラミレス氏=2015年10月21日、横浜市内
横浜DeNAベイスターズの新監督に就任し、ポーズを取るラミレス氏=2015年10月21日、横浜市内

今永のピッチングを見守る横浜DeNAのラミレス新監督(右)と中畑前監督=沖縄・宜野湾市立野球場
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選手との密なコミュニケーションはモットーの一つ
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