プロ野球は1日、宮崎、沖縄の両県などでスタートを切った。米アリゾナ州ピオリアで海外キャンプを行う日本ハムは現地時間1日(日本時間2日未明)にキャンプイン。
セ・リーグは全6球団の指揮官が40歳代と若返った。新たに横浜DeNAを率いるラミレス監督は野手に打撃を指導するなど精力的に動いた。
◆80勝へ サバイバル
横浜DeNAの春季キャンプ初日は雨の影響から、室内練習場での安全祈願からスタート。「80勝以上、優勝」というラミレス監督の掲げた高い目標を目指し、37選手が約5時間半の練習で汗を流した。
投手陣は新外国人のペトリックとエレラを除いて全員がブルペン入り。開幕投手を指名されている山口や、ドラフト1位の今永(駒大)、同2位の熊原(仙台大)が首脳陣にアピールし、激しい先発争いを予感させた。
初日のブルペンを見守ったラミレス監督が心配するほど投手陣が火花を散らした。「この時期に準備完了になっては困る。リラックスしながらペース配分をしてもらいたい」。先発枠をめぐっての戦いがいきなり幕を開けた。
3年目のモスコーソが口火を切った。昨季3勝に終わった助っ人右腕は初日から60球。昨年の春季キャンプより3日早いブルペン入りに、「ことしは勝負の年。体も軽く感じる。シーズン通してローテーションを守る」と意気込む。32歳は昨季に比べて5キロも絞った95キロで挑んでいる。
開幕投手として指名されている山口も負けてはいない。新たに握りを変えたスライダー、カーブを試しながらチーム最多の151球を投じた。既に打者も立たせ「変化球のイメージを早く一致させたい。シーズン1戦目にピークを持っていく」と語る。より強い責任感が早めの仕上がりを促している。
その隣の三嶋も140球の投げ込み。4年目の本格派右腕は「意地でも(先発)6人に残らないといけない」と危機感を抱いている。
一方、即戦力の新人も堂々たる投球だった。
ドラフト1位の今永は60球、同2位の熊原は50球をプロのストライクゾーンを確認しながら心地よい音を響かせた。同じ左腕の砂田、石田の名をライバルに挙げた今永が「チーム内の競争に勝たないと。意識している」と言えば、熊原も「先発でも中継ぎでもどちらでもいける準備をしたい」と覚悟をにじませた。
防御率リーグワーストに沈み、規定投球回数に達した投手が不在に終わった昨シーズン。投手力向上へ、全員が早くもその一歩を踏み出している。
「うれしい一日」 一問一答
ラミレス監督は充実の表情でキャンプ初日を振り返った。
-初日が終わった。
「とても幸せだよ。うれしい一日。選手はしっかり準備ができていてアピールしてくれた」
-ブルペンで過ごす時間が長かった。印象に残った選手は。
「全員を見たよ。山口は100球以上投げてくれたし、モスコーソ、井納も良かった。一番驚いたのは熊原。制球、スピード、バランスが素晴らしく、今永もとても大きなチャンスがある」
-中畑前監督がキャンプ地を訪れた。
「大きな力になる。アドバイスをもらったよ。彼はグッドエンターテイナー。監督となってから初めて会ったけど、たくさん笑わせてもらった」
-最年長の三浦も順調そうだ。
「彼はプロフェッショナルを体現している。とってもいい体調だし、あと数年はできる。良い状態で投げられるように考慮しながらの起用を考えている」
-あらためて2日目以降の抱負を。
「選手には期待していた以上のアピールをしてもらった。良い天気で迎えられたら、もっとより良い一日になるかな」