セ・リーグの新人王に輝いた横浜DeNAの山崎康晃投手(23)が4日、横浜市中区の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2年目では球団史上最高額となる3500万円増の5千万円で更改した。
山崎康はプロ野球新人記録を更新する37セーブを打ち立てるなど、開幕から抑えとして活躍。チーム最多の58試合で2勝4敗、防御率1・92とフル稼働し、球団にとっては2000年の金城龍彦以来となる新人王を受賞した。
また山口俊投手(28)は800万円減の8千万円プラス出来高払い、後藤武敏内野手(35)は現状維持の2200万円、荒波翔外野手(29)も現状維持の4千万円でそれぞれサインした。
そのほかの契約更改は次の通り。
▽福地元春投手 950万円(現状維持)
▽万谷康平投手 800万円(200万円減)
▽内村賢介内野手 2200万円(550万円減)
(金額は推定)
感謝胸にスターへ
ルーキーイヤーの契約更改で球団史上最高額を塗り替えたのも当然だろう。村田(巨人)の3500万円を大幅更新してサインした山崎康は「出来過ぎなくらいの一年。女手一つで育ててくれた母や家族、出会ってきた監督に感謝したい」とにっこりした。
17年ぶりに首位で前半戦を折り返したチームの躍進を支え、オールスターにも出場。本拠地の「ヤスアキ」コールは名物となった。「もっと、もっと応援してもらえるようなスター選手を目指したい」。23歳はひときわ目を輝かす。
課題は明白だ。今季終盤に休養を命じられたこともあり、「スタミナ不足、体もきつかった」と言う。国際大会「プレミア12」ではチームメートからカットボールやチェンジアップなど新たな球種を教えてもらった。「このオフで進化したい。何でも挑戦したい」と貪欲に突き進む。
6日から米ロサンゼルスへ。1年間蓄積した心身の回復と語学習得が目的という。黒田(広島)らも足を運んだトレーニング施設「アスリート・パフォーマンス」でコンディショニングを一から学ぶつもりだ。
「自分の体のことを知っていくことが大事。現状に満足せず、40セーブ以上、優勝に貢献できるようにしたい」。次のステップへ、大切なオフが始まる。
山口、来季は死ぬ気で
800万円減でサインした山口は「成績の割にすごく評価された。期待に応えられるように腹をくくって死ぬ気で頑張りたい」と誓った。
4月までに3勝を挙げながらも、夏場には2軍落ちを経験。もう一踏ん張りできなかった。このオフは新たにメンタルトレーニングを受けているといい、来季は選手会長も担う。「みんなにしっかり認めてもらえるように結果も、態度も示したい」と11年目のシーズンに目を向けていた。
後藤「野球人生懸ける」
後藤は主に代打として70試合に出場、7月に阪神の呉昇桓から同点2ランを放ち、サヨナラ勝ちにつなげる活躍もあったが、打率2割6厘、4本塁打、11打点に終わり「来季は野球人生を懸けたい」と意気込んだ。
今季は春季キャンプ中に左太もも裏の肉離れを発症。さらに右足首を捻挫するなどけがに泣かされた。「カバーしようとして、いたるところに痛みが出てしまった。技術面も落ちる」。今オフは体幹を中心に一から肉体改造に取り組んでいる。
今季は米大リーグから日本球界に復帰した横浜高のチームメート、松坂(ソフトバンク)との対戦はかなわなかった。手術した松坂の見舞いに行っていたことを明かし、「(来年)福岡ドームで対戦できたら幸せ」と心待ちにしていた。